熊野市飛鳥町小阪の熊野原木市場で20日、初市が開かれた。スギ、ヒノキを中心に優良材が豊富に揃う中、市場にセリの掛け声が響き、活気に満ちた新年のスタートを切った。
初市は地元をはじめ、三重県内や和歌山県など各方面から2200立方㍍のスギ、ヒノキなどの木材がズラリと並べられ、市内や三重県、和歌山県、奈良県、遠くは高知県などからの製材業者や仲買業者ら約150人が参加し、活気に満ちた。
この日の売上高は約5000万円。尾鷲市九鬼町産で樹齢約200年、直径48㌢、長さ7㍍のヒノキが1立方㍍単価25万円など、スギやヒノキの良材に高値がつけられた。
地元製材業者は「これだけ良い材が揃ったのは久しぶりじゃないか」と新年の好スタートに笑顔。朝尾高明理事長は「地元からたくさんの良材を頂いて有難い。アメリカがトランプ大統領に代わることで今後の見通しがつかないが、しっかり対応していきたい。四国などから社寺や仏閣が動き始めており、この地方の木は良材が多いと評判が高いので期待したいところ」と話していた。
また、初市に出されたものではないが、会場となった原木市場には奈良県の平城宮跡歴史公園で行われている「平城京復原」に使用される予定のヒノキも見られた。
紀北町の素材生産者によると、このヒノキは尾鷲市九鬼町産の樹齢200年のもので、長さは13㍍。これまでにもこの地方の木材は首里城や伏見稲荷などに使用されるなど評判が良いとのこと。今回置かれているヒノキは平城京の門である「楼」の柱や梁に使用される予定とのことで、市場を訪れた仲買人らの注目も集めていた。