紀州犬飼育の愛好者による「犬合わせ会」が18日、紀州犬の発祥地である御浜町阪本で開かれ、紀北町や尾鷲市、御浜町を始め、遠くは愛知県尾張旭市で紀州犬を飼育する10人ほどが、白毛や赤毛、白茶、黒毛など様々な10頭を連れて参加。紀州犬の先祖とされる「マン」を育てた弥九郎の墓参りも行い、減少傾向にある紀州犬の保存へ思いを新たにした。
犬合わせ会は毎年、新年の交流にと行っており、コロナ禍での中止を経て昨年から復活。発祥地であることを示す御浜町などの資料には「むかし、阪本に峯弥九郎という実在の人物がいました。その弥九郎が傷ついたオオカミを助け、その仔マンを育て、素晴らしい猟犬に育てあげました。その子孫が後の紀州犬といわれ、阪本は紀州犬の発祥の地といわれています」とある。
主催者の1人である御浜町の尾﨑正臣さんによると昭和の中ごろにはペットで飼う愛好者も多かった紀州犬だが、小型犬の人気が高まった事などから飼育数も次第に減少しているとのこと。しかし、古来の日本犬が持つ精悍さと学習能力の高さ、狩猟犬ならではの胆力、忠誠心など魅力も多く、愛好者らは種の保存とともに発祥地の更なるPRの必要性も感じている。
この日は弥九郎の墓前に線香を手向けた後、折山神社前広場で犬合わせを実施。尾﨑さんによる勉強会では血統のルーツや現在への繋がりなどが示された。参加者は全国的に飼育頭数が減少する中、更なる交流の輪を広げるべく意見交換も実施。昼食を囲んでさらに交流を深め、飼育方法などについて語り合っていた。