有機農業と鯉のぼり活用 熊野市人材育成事業が成果発表

 熊野市が今年度の新規事業として取り組んできた「市地域活性化人材育成事業」の成果発表会と閉講式が18日夜、市文化交流センターで開かれた。受講生11人が有機農業やゴールデンウィークの風物詩「泳げ!鯉のぼりくん」を活用した地域活性化策を披露。人と人とのつながりの大切さや前向きな発想の転換など、学びの成果を示した。

 同事業は10年、20年先を見据え、地域課題を理解し持続可能なまちづくりをリードする人材育成を目的に三重大学と連携して昨年7月に開講。20~50代の男女が研修会やフィールドワーク、先進地視察を重ね、農業や観光振興など地域資源の活用策を探ってきた。

 成果発表では西垣内新、井上翔太、畑井将義、澤田昌也、田中順子さんのグループが七里御浜海岸で昭和59年から続く「泳げ!鯉のぼりくん」イベントを軸にした活性化策を提案。スタッフ不足や資金確保、安全対策、情報発信などの課題を挙げ、SNSを活用したサポーター募集や企業協賛、QRコード募金の導入、臨時駐車場の確保、周辺を巡るウォーキングマップの作成、フォトスポット設置など具体策を示した。ギネス記録への挑戦など、域外への発信強化も視野に入れる。

 一方、濵田栄昇、牧野太朗、九鬼榛奈、鈴木伸穂さんのグループは「有機農業を活用した地域活性化」をテーマに発表。市が整備を進める熊野アグリパークとの連携を見据え、温暖な気候を生かした作物の有機化による付加価値創出を提案した。宿泊業と結び付け生産から消費までを一体化する仕組みづくりや、魚のアラを堆肥化して循環型農業を構築するアイデアも示された。

 受講生からは「色んな方と巡り会えてよかった」「マイナスの事を考えるばかりだったが、できることがあるんじゃないかと、前向きな気持になった」「楽しそうに活動する大人が増えると子どもたちにもいい影響があると思う」などの感想がでた。

 最後は河上敢二市長が「有機農業は地域との繋がりが大切。将来の熊野市の大きな農業の柱になるとも期待して聞いていました。鯉のぼりも非常に良い結論をおっしゃっていた。一人ではどうしようもないが、色々な人の支援やアイデアで鯉のぼりがしっかり出来た。人とのつながりを大切にしないと大きな取り組みは出来ない。それを学んでいただいただけでも参加していただいた意味があると思います。皆さんが実現したいという思いはどんな形であれ応援させていただきたい」と講評。また、受講者の感想を聞いた三重大学地域イノベーション学研究科の加藤貴也准教授は「かっこいい大人が増えれば地域は変わる」とエール。市と同大は事業継続に意欲を示しており、学びの芽が今後どのように実を結ぶか注目される。

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