温州など4種が「上上」 御浜町林松寺試粥会で農作物占う

 お粥(かゆ)を炊いて農作物の作柄を占う試粥会(ししゅくえ)が15日、御浜町下市木の林松寺(服部育郎住職)であった。稲や麦、カンキツなど9種を占い、晩稲、さつまいも、雑穀、温州の4種類で豊作を意味する「上上」との結果が出た。

 試粥会は明治に入る前から行われている伝統行事。同寺によると、昔は小正月の日に各地で営まれていたが、現在も続けているところは少なく、当地方でこれを行っているところは同寺のほかには見られない。

 はじめに法要が営まれ、服部住職が五穀豊穣と風雨順調、身体健全のご祈祷。屋外のかまどに正月に用いたしめ縄とウラジロ、みかんの木を燃やして火を点けると、昨年収穫した米と小豆、細かく割った鏡餅、御神酒を入れ、そこに太さ約1㌢、長さ約7㌢の竹を9本入れてお粥を炊いた。

 占いの項目は、かまから取り出した竹筒の順に▽早稲▽中稲▽晩稲▽麦▽里芋▽さつまいも▽雑穀▽温州▽中晩柑―。占いは竹筒の穴の中に入り込んだ米粒の量で、「上上」、「上」、「中」、「下」、「下下」と判定し、筒いっぱいの米粒や、米粒より大きな小豆が入ると「上上」とされる。

 檀徒総代や地区役員らが見守る中、服部住職が炊いた粥から竹を取り出して包丁で縦に割り、中の米粒を確認。「上上」以外は、早稲が「上」、麦と里芋が「中」、中稲と中晩柑が「下」の結果となり、結果を見守った檀徒総代や地区役員らは豊作に期待を寄せた。

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