建設業への理解深める 木本高校総合学科生紀和町の工事現場を体験

 三重県立木本高校総合学科の2年生37人が23日、熊野市紀和町の工事現場を体験。ICT(情報通信技術)化など技術革新が進む現場を見学し、地域の安全を守る建設業への理解を深めた。

 三重県建設業協会熊野支部(井本伊織支部長)が三重県熊野建設事務所と連携し実施。生徒たちは紀和町の国道311号から丸山千枚田へと続く県道熊野矢ノ川線の拡幅工事現場を訪問した。

 はじめに同事務所工事統括課の下村大介課長代理から「三重県県土整備部(公務員)の役割について」と題した話があり、道路や河川、海岸、砂防施設など公共土木施設の整備や維持管理などを行っていることを説明。「具体的には道路改築(バイパス)や拡幅・電線共同溝(無電柱化)・歩道整備・災害防除・河川や海岸堤防・砂防堰堤・急傾斜地崩壊防止などの整備事業、災害復旧を行っている」とし、測量や設計、建設会社など様々な民間企業と連携しながら事業を進めていることを示した。

 その後、現場の施工を行っている西美組スタッフからも現場等についての説明がなされ、生徒たちはまず、斜面の掘削作業を見学した。

 その後、測量・ドローン、重機オペレーター、高所作業車に分かれて体験した。重機オペレーター体験ではスタッフの指導を仰ぎながらショベルカーの運転を体験し、高所作業車で10㍍ほどの高さを体験。測量体験では測量機器を扱い、設定された場所を探し当てた。さらに、ドローン見学ではタブレットへの入力で自動運転によって空撮を行う技術を目の当たりにし、ハイテク化する建設業の現状を知るとともに、建設業が防災や地域振興、生活を支える「人のためになる仕事」であることを学んでいた。

 最後に西美組の西孝也代表取締役社長が「建設業の面白いところは、目の前の仕事がそのまま社会に役立つこと。みんなが普段使う道路や橋など、そういったものを作ることが仕事であり、完成したものが地域の人々の生活を支える存在になるというのは、すごくやりがいがあります。また、建設業では時には新しい技術を取り入れたり、環境にやさしい方法を考えたりと、常に工夫しながら進めていきます。そうした社会貢献を含め、ただものを作るだけではなく、社会を作っている実感が得られる素晴らしい仕事であり、そんな建設業の魅力を少しでも感じてもらえたら嬉しいです」などと生徒たちに呼びかけた。

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