三重県教育委員会の定例会が24日に開かれ、新たな三重県指定文化財として県内5つを指定。この地方からは熊野市二木島町の最明寺(桝本幾穂住職)の木造阿弥陀如来立像(彫刻)が指定を受けた。
今回指定を受けたのは▽紙本墨画淡彩林和靖図屏風 曽我蕭白筆(絵画・三重県立美術館)▽木造阿弥陀如来立像(彫刻・熊野市)▽木造蔵王権現立像3躯(彫刻・津市)▽伊州御城下破屋損所絵図(歴史資料・伊賀市)▽唐人踊 大幟(有形民俗文化財・津市)―の5点。これにより、県指定等文化財数は合計で611件になった。
熊野市教育委員会によると、最明寺の本尊である阿弥陀如来立像は平安時代後期(12世紀)のものとされ、像高95・3㌢。元禄元年(1688)年以前に再建された本堂の厨子(ずし)に安置されている。円満で穏やかな表情や、浅く整えられた衣の表現は、平安時代後期の典型的な作風を示す一方、穏やかな表情のなかにもやや引き締まった表現がみられることから、鎌倉時代に近づいた12世紀後半から末頃の制作と考えられるとのこと。熊野市以南で最も古い仏像であり、当地域の彫刻史を把握する上で重要な文化財と評価されている。
さらに、室町時代の明応5年(1496年)に徳源が創建したと伝えられ、元禄元年(1688年)以前に再建されたという本堂と、釈迦涅槃図も県指定文化財に指定されている最明寺。桝本住職は「昭和45年に住職として入った頃から、故・岡本実先生がこの阿弥陀様を見て、衣の膝にかけての線の美しさや表情を絶賛してくれていて、褒め言葉として『聖徳太子の作だ』と表現するほど。本堂や涅槃図が指定される中、郷土史家の先生方も含めて絶賛されてきた阿弥陀様がついに県の文化財に指定され『認めてもらえて本当に良かった』という思いです」と指定を喜んだ。

