今年11月9日に志摩市と南伊勢町で開催予定の「第44回全国豊かな海づくり大会~美し国みえ大会~」に向けた大会記念リレー放流が19日、熊野市遊木町の遊木漁港で行われ、新鹿小・中学校(松田元校長)の児童生徒がトラフグの稚魚を放流した。
「つくり育てる漁業」の重要性を啓発するとともに、大会の気運醸成を図ることを目的とするもので、熊野市と熊野漁業協同組合と連携で実施。リレー放流は昨年6月から県内各地で順次行われており、これまでにヒラメやマダイ、カサゴ、アマゴ、アユなどの稚魚を海や川に放流している。
はじめに県農林水産部の山本祥輝さんが大会についてや、温暖化による海の変化などについて説明。「これを機会に海や魚について興味を持ってほしい」などと呼びかけた。続いて尾鷲農林水産事務所の出口竣悟さんがトラフグの生態などをテーマに水産教室。出口さんは県内のトラフグの水揚げが全国トップクラスであることを始め、生態や寿命、漁法などについて説明したうえで、栽培漁業について「生き残る力がつくまで育てた稚魚を放流することによって自然界で大きくし、計画的に捕まえていくもの」などと解説した。
その後、小中学生が稚魚の入ったバケツを手に、約4㌢の稚魚5000尾を岸壁から放流。元気に泳ぐ稚魚を確認すると「大きくなってね」と成長に願いを込めていた。
全国豊かな海づくり大会は、水産資源の保護・管理と海や湖沼・河川の環境保全の大切さを広く国民に訴えるとともに、つくり育てる漁業の推進を通じて、水産業の振興と発展を図ることを目的として、毎年各地で開催されている国民的行事。三重県では、昭和59年の第4回大会に続き2回目となる。