防災学習で何を感じたのか 木本高校2年生が成果発表

 県立木本高校2年生は授業の一環で、南海トラフ地震・津波を想定した防災に関する探究活動に取り組んでいる。生徒たちの通う県立熊野青藍高校で18日、発表会があり4クラスが学びの成果をプレゼン。将来、必ず発生すると言われる南海トラフを震源とした巨大地震、それに起因する津波への備えの重要性を共有し、自分たちに何ができるのか、何をしなければならないのかを見つめ直した。

 クラスごとに設けられたテーマに沿った事前学習の成果を紹介した。1組は『学校における新しい避難経路の開拓』、2組と3組は『学校が避難所になったら』、4組は『学校周辺の危険箇所』をテーマに発表。▽通学路周辺を歩いてみて、道路の損傷状況が分かった▽避難に使えそうな場所として華城山と新田の高台が考えられる▽倒木等の危険があるので山道を通って避難するのはリスクがある▽狭い道は混雑するおそれがあるので避難経路としては適さない▽学校を避難所として運営するにあたって、設備の配置や役割分担の必要性を把握するとともに、食料には限りがあり配布する際は注意する必要があるなど多くの課題・問題に対応する必要がある▽地震によってケガや病気になってしまった人にどう対応するか、救護班だけでなく余裕のあるひとに手伝ってもらうことも検討する▽傷病者に対応するため、十分な量のベッド、車いす、布担架が求められる▽3密(密閉、密集、密接)や水不足による感染症予防の大切さを実感した▽高温、断水時を見据えて貯水タンクの設置が効果的、寒さ対策として段ボールベッドや毛布を備蓄する▽災害による生活環境の急変により避難者同士のトラブルが起こり得るため、避難所でのリーダーやルール決め、プライバシースペースなどの確保が肝心―などまとめた。

 防災学習を通じ、生徒は「避難路を整備するための予算を確保してほしい」「ハザードマップを作って校内に掲示する」「避難場所へ行くルートの整備や地域へのハザードマップ配布に協力をお願いしたい」「備蓄品を増強したり、新たな備品を設置したりするのはお金がかかる」などの感想をまとめ、行政や学校に対して協力を求めたいとまとめた。

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