熊野市が三重大学と連携して取り組む「地域活性化人材育成事業」の成果発表会と閉校式が28日、市文化交流センターで開かれた。受講生5人が、それぞれの得意分野を生かした地域活性化のアイデアや実践成果を披露した。
同事業は10年、20年先を見据え、持続可能なまちづくりをリードする人材を育成しようと昨年度からスタート。三重大学大学院地域イノベーション学研究科の加藤貴也准教授が協力する。本年度は地域おこし協力隊経験者や集落支援員、会社員ら5人が参加し、約2ヵ月間にわたり自ら設定した課題に取り組んだ。
澤田昌也さんは約40年前に飛鳥町で人気を集めた木枕の復活を提案。熊野材を使った商品化や子ども向けの木育教材としての活用を目指し、地元の建設労働組合などに製作を相談している。
吉田波瑠さんは担い手の高齢化が進む紀和町の伝統行事「火祭り」の継承をテーマに、身近な人への声かけから協力者を増やし、10年、20年先も続く祭りにしたいと語った。
太田浩輔さんは今年2月に開設した地域情報サイト「くまのごと」を紹介。AIを活用し、画像1枚からイベント情報などを投稿できる仕組みを整え、今後は住民が自由に情報発信できる場を目指す。
硎屋孝也さんは釣りを中心としたSNSでの情報発信を地域行事や自然体験などに拡大。共同投稿などの工夫で閲覧数が約36万5千回から122万回に増えた成果を紹介し、地域の魅力を「行ってみたい」という動機につなげたいと話した。
牛尾隼人さんは観光地や地域の人との出会いを体験型のミッションに変えるアプリ「アウトドアクエスト」を発表。年内に15件のミッションを掲載し、冬休みの利用100回を目指す考えを示した。
発表では、受講生同士が得意分野を持ち寄り、動画制作や情報発信などで協力する取り組みも紹介された。河上敢二市長は「それぞれの得意なものがかみ合った成功例」と評価。「熊野市はインターネットを通じた情報発信が弱い。皆さんの活動が活発になればありがたい」と期待を寄せた。
加藤准教授は「今回は受講生自身がやりたいことに取り組んだ。活動を広げることで地域がさらににぎやかになる」と講評し、講座で生まれたつながりを今後の地域活動に生かしてほしいと呼びかけた。

