熊野市、御浜町、紀宝町の3市町社会福祉協議会は8月30日、熊野市文化交流センターで第3回「めっちゃええやん!コンテスト2026」の学生部門を開いた。三重大学の学生と地元高校生がチームを組み、紀南地域の福祉事業所を取材。若者ならではの視点で見つけた現場の魅力をプレゼンテーションした。
同コンテストは福祉現場の魅力発信や、互いの実践を知ることによる資質向上などを目的に3年前から開催している。昨年度から学生部門も設け、若い世代が福祉の現場に触れる機会をつくっている。
開会にあたり熊野市社会福祉協議会の阪口任紀会長が挨拶。人口減少や少子高齢化が進み、福祉をはじめさまざまな業種で人手不足が深刻になっている現状に触れ「学生の皆さんがさまざまな視点で気付きや魅力を発信していただくことは意義深く、現場にとっても励みになる」と感謝した。
今回は三重大学の学生7人と熊野青藍高校、新翔高校、近畿大学附属新宮高校の生徒10人が参加。6チームに分かれ、2日間にわたって各事業所を訪問し、利用者や職員との交流、取材、打ち合わせを重ねて発表を準備した。
チーム「ひかりのかけら」は紀南ひかり園(熊野市)、「ひまわり」はすまいるしーど(同)、「ひこゆな」はショートステイセンターつどい(紀宝町)、「GOOD楽」は特別養護老人ホーム亀楽苑(同)、「CoCoええやん!」はNPO法人ここ(御浜町)、「スリーデイズ」はリハビリデイつどい(同)を担当した。学生たちは職員への聞き取りや利用者との触れ合いを通して、それぞれの事業所の特色を発見。建物やサービスの工夫、職員と利用者の自然な関係、働くことが自信につながる姿など、外から見ただけでは分からない魅力を若者らしい切り口や演出で伝えた。
審査は「メッセージ性」「魅力」「学生としての視点」「提案」「総合評価」の5項目で実施。県や地域の福祉関係者ら9人が審査した結果、三重大学の高木涼さんと近畿大学附属新宮高校の榎本幸喜さんによる「GOOD楽」がグランプリに輝いた。三重大学の福田日毬さんと熊野青藍高校の塩見優莉さん、竹中心音さんによる「ひこゆな」が準グランプリに選ばれた。
「GOOD楽」は亀楽苑の特徴的な建物の間取りを「変な間取り」と捉え、そこから施設ならではの魅力を掘り下げたほか、福祉現場の人手不足を見据え、少人数でもサービスを続けられる仕組みを提案。「ひこゆな」は、ショートステイセンターつどいを地域から閉じた場所にせず、人との「ボーダー」を取り払うことに着目し、施設と地域がつながることの大切さを伝えた。
最後に三重大学みえの未来図共創機構地域共創展開センターの藤山宗准教授が講評。「若者が主張することで、聞く側にも新たな気付きや議論が生まれる」とし、コンテストが福祉を若い世代に身近に感じてもらう機会になったと総括した。
学生にとっては福祉事業所を実際に訪ね、そこで働く人や利用者と接することで、福祉を身近に感じる機会となった。一方、事業所側にとっても、日頃は当たり前になっている取り組みや環境を若者の目を通して見つめ直し、新たな魅力を発見する機会となった。

