尾鷲南ⅠCに防災拠点 今後は4車線化実現へ 熊野尾鷲道路建設促進同盟が総会

 熊野尾鷲道路建設促進期成同盟会(会長・河上敢二熊野市長)の総会が23日、熊野市文化交流センターで開かれた。今後は熊野尾鷲道路の4車線化に向けた要望を続けていくことなどを確認した。

 総会を前に開催された近畿自動車道紀勢線事業説明会では、国土交通省紀勢国道事務所の市川幸治所長が熊野尾鷲道路(Ⅱ期)や熊野道路、紀宝熊野道路の進捗状況を説明した。

 熊野尾鷲道路Ⅱ期は尾鷲市坂場西町から同市南浦を結ぶ延長5・4キロ㍍。令和3年8月29日に開通。現在、尾鷲南IC付近に国道42号尾鷲南防災拠点を整備している。同拠点はトイレや情報提供施設、駐車場、防災倉庫を設けるという。

 熊野市大泊町から久生屋町間の熊野道路は延長6・7㌔。今年度は36億9千万円の当初予算で、関係機関との協議や環境・水文調査、用地買収、改良工、橋梁下部工、トンネル工を行う、用地については3月31日時点で進捗率が100%となった。現在、橋梁下部は7つの内1つが完成、施工中2、未着手4。同上部は7つとも未着手。トンネルは4つの内2つが施工中。

 紀宝町神内から熊野市久生屋町間を結ぶ紀宝熊野道路は延長15・6㌔。今年度は8億円の予算で、地質・環境・水文調査、用地幅杭設置、用地調査・買収を予定している。3月末現在で全体の進捗率は約10%。区間には14の橋梁と7つのトンネルを施工する計画。

 このほか、国道42号線では紀宝町ウミガメ公園を防災拠点自動車駐車場に指定するなど、防災拠点化を推進。観光客の利用が増えている道の駅熊野・花の窟では市と国土交通省が一体となり、駐車場拡幅、トイレ増築等の整備を実施している。

 総会には尾鷲、熊野市、紀北、御浜、紀宝町の構成市町の関係者ら約30人が出席した。主催者を代表し、河上市長が会員の協力に感謝するとともに「より安全な交通ネットワークの確保には4車線化が必須。今後は4車線化に向けた取り組みをしっかり進めたい」と挨拶した。

 来賓を代表し谷川孝栄県議が「紀伊半島一周の高速道路が眼の前に見えてきました。南海トラフ巨大地震はいつ来るかわかりませんが、それまでにできる限りのことをしておきたい。この道路は命の道、暮らしを守るとても大切な道路。私たちの未来の命を救う大切なもの。声をさらに大きくして要望活動など共に頑張っていきましょう」と呼びかけた。

 議事では熊野尾鷲道路や紀勢自動車道(紀勢大内山IC~尾鷲北IC)の4車線化について早期事業化を図るため、関係機関の要望活動などの事業計画を承認。地域に必要な道路事業予算を確保し、紀伊半島を一周する高速道路の早期全線開通と4車線化、コロナ禍からの回復に向けた地域経済復興などを強く求める決議文を採択した。役員改選も行われ、河上会長ら全員を再選した。役員は次の皆さん。

 ▼会長=河上敢二(熊野市長)

 ▼副同=加藤千速(尾鷲市長)

 ▼理事=尾上壽一(紀北町長)、西田健(紀宝町同)

 ▼監事=大畑覚(御浜町長)

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