新型コロナが5類へ 感染対策は個人判断に

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが8日、これまでの2類相当から季節性インフルエンザ並みの5類に移行した。日本国内で感染者が初めて確認された2020年1月15日から1209日を経て、コロナ禍に一区切り。今後は本格的にウィズコロナ、アフターコロナの社会経済活動の正常化へと進んでいく。

 政府は今年1月20日に、オミクロン株が主流となり重症化率や致死率が低下したこと、ワクチン接種が進んだことなどから5類への移行を判断。当初は年度替わりの4月1日からを検討していたが、統一地方選挙の影響や自治体・医療機関の準備期間、体制を考慮。行政・医療体制が手薄になる大型連休中間の5月1日からを避けた形で、ゴールデンウィーク明けのタイミングにした。5日には世界保健機構(WHO)が緊急事態宣言の終了を発表した。

 5類への移行後は、これまでの感染者の全数把握から、定点調査に基づく週1回の発表に。医療体制は入院調整や限られた医療機関での対応が行われていたが、5類後は幅広い医療機関による対応を目指す。

 法律に基づく外出自粛要請や濃厚接触者の特定は廃止。厚生労働省では感染者の療養期間の目安として、発症翌日から5日間は外出を控え、10日間はマスク着用を推奨。5日目も症状がある場合、回復してから24時間が経過するまで外出自粛を求めている。

 また、公費による支援が受けられた入院・外来医療費は、一部自己負担となる。ワクチンは2023年度も無料接種が継続される。後遺症対策は診療報酬の加算など対策を強化する。

 感染対策についてはこれまで、行政が法に基づき要請などを行っていたが、今後は個人の自主的な取り組みが基本。個人や事業者の判断に委ねられる。

 一方で、ウイルスが消えてなくなったわけではなく、今後も第9波などの感染拡大が懸念されている。オミクロン株と大きく病原性が異なる変異株が出現した場合など、指定感染症に改めて位置付けを行い、一時的に対策を強化する方針。

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