紀伊半島大水害から10年 連携して防災力高める 26会場で一斉訓練に励む

 三重県と熊野市、御浜町、紀宝町は14日、熊野市民会館と木本小学校を主会場に「紀伊半島大水害10年防災訓練」を行った。和歌山、奈良県からの参画も得て、熊野市、御浜町、紀宝町の3市町26会場で、自治体や自衛隊、消防、メディア、民間団体など多くの機関が参加し防災力向上を図った。

 水害から10年間の復興や防災・減災対策について検証し、成果や課題を共有することで自助・共助・公助が一体となった地域防災力向上を目指す「紀伊半島大水害10年プロジェクト」の一環。大型で非常に強い台風が接近したことを想定。警戒レベル3の「高齢者等避難」が発令され、その後、土砂崩れや孤立、断水などが発生。避難所運営や救援物資の受入れ、傷病者救助など発災から段階に応じた訓練に取り組んだ。

 メイン会場の熊野市民会館では各地の様子がオンラインで集約された。発災直後には一見勝之知事と市町の首長がWEB会議で被害状況などの情報を共有。一見知事が対応策などを示した。また3県防災担当者がWEB会議で被害状況等を確認し、支援要請などを行った。

 木本小学校では避難所が開設された。女性視点やコロナ対策を取り入れ、地元高校生たちも協力。奈良県桜井市からの救援物資受入、給水訓練も行われた。この他、新鹿や紀和町では避難訓練、熊野救急ヘリポートでの傷病者引き継ぎなどもあり、関係機関が本番さながらに取り組んだ。熊野市と「災害時相互応援に関する協定」を締結する広島県熊野町の三村裕志町長も訓練を視察した。

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