津波避難時間5分に短縮 鵜殿3組津波避難タワーが完成

 紀宝町鵜殿地区に「鵜殿3組津波避難タワー」が完成し、23日に現地で竣工式が行われた。地震発生から約10分で津波が住宅地に到達すると想定される同地区では、これまで避難に約20分を要すると見込まれていたが、タワーの完成によって約5分で避難できるようになった。地域住民の命を守る新たな防災拠点として期待されている。

 鵜殿地区では1組、2組に続く3基目。町では住民とのワークショップを重ね、避難行動を具体化する「家族と私の命を守る地震・津波タイムライン」の作成など、ソフト・ハード両面から津波対策を進めてきた。

 タワーは新宮紀宝道路の紀宝鵜殿インターチェンジ近く、線路沿いに建設。鉄骨造で最大約100人を収容でき、避難階の海抜は14・15㍍、屋上は17・75㍍。2階には屋内避難スペースや個室、多目的簡易便所を設け、津波や液状化に耐える構造とした。階段やスロープの幅を広く確保し、照明設備や非常用備蓄、住民の非常用品を保管するスペースも備える。

 竣工式では向井美樹也町長、田中誠徳県防災対策部長、萩野進也町議会議長、喜田功鵜殿区長、松田新吾紀宝警察署長、城平一彦熊野市消防長、川上辰哉町消防団長がテープカットし、完成を祝った。向井町長は「平常時も防災学習や避難訓練の拠点として活用され、いざという時には迷うことなく避難できるよう、防災意識の向上につながることを願っています」と挨拶。建設に携わった建築工房くまの、夏山組三重支店、県建設技術センター、東邦地水に感謝状を贈り、鵜殿3組自主防災会の森倉賢一郎会長にタワーのレプリカキーを手渡した。

 式典後は住民らが施設を見学。森倉会長は「一人でも多くの住民を助けたいという思いで建てていただいた。住民の防災への関心がさらに高まればありがたい。今後は勉強会や会議にも活用していきたい」と話していた。

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