医療・介護・福祉の連携考える 望む暮らし地域で支える 御浜町社協地域福祉講演会に400人

 御浜町社会福祉協議会は27日夜、町中央公民館アメニティホールで地域福祉講演会「みんなで語る~福祉、地域づくりの これまでとこれからと~」を開いた。NPO法人ふらっととの共催。町内外から約400人が来場し、地域福祉の実践や医療、介護、福祉の連携について考えた。

 人口減少や高齢化、福祉・介護の担い手不足などが進む中、これまでの取り組みを振り返り、今後の地域づくりを考えようと企画。はじめに筒井道夫社協会長が「福祉や介護の現場では、住民や関係機関との協力、連携がなければ課題の解消は難しい。それぞれの立場や分野を越え、支え合い、信頼し合いながら、自分たちの暮らしを良くしていくまちづくりを目指したい」と挨拶した。

 第1部では町社協の喜田さつきさんとNPO法人ふらっと代表理事の西勉さんが、住民の声から生まれた地域福祉の取り組みを紹介。喜田さんは「皆さん、幸せですか。自分が望む暮らしができていますか」と問い掛け、「社協は、その人が地域でその人らしく暮らしていくことを、地域の皆さんと一緒に考えながら支えていく組織」と説明した。

 喜田さんらは5つの活動例を示した。「ぬのぞうりの会」のきっかけは要介護5の高齢者の「もう死んでしまいたい」との言葉だった。本人が以前「布ぞうりを作りたい」と話していたことから、ボランティアらの協力でベッド上でも作業できるよう工夫した。活動を楽しみに過ごすようになり、笑顔を取り戻した本人は「年寄りはみんな死にたい、死にたいと言うけど、あれはうそやぞ」と語ったという。

 高齢者らが農作業を楽しむ「まんまる畑」は、「畑仕事をしたい」「一人では難しい」といった声から誕生。収穫した野菜を販売し、売り上げの一部を「給料」として参加者に還元することで、役割や生きがいにもつながっている。

 住民自身が運営する交流の場「あそこってどこよ」、福祉センターを子どもの居場所として開放する「夏休みパーク」、医療的ケアを必要とする子どもと家族の交流の場なども紹介。子ども、高齢者、ボランティアらが自然につながる活動へ発展していることを伝えた。

 喜田さんは「最初から畑や集まりをつくろうと考えたのではない」とし、「こうしたい」「困っている」「やってみたい」といった一人一人の声を聞き、「どうしたらできるか」と考えた結果が現在の活動につながったと話した。また、福祉には介護サービスなど制度による「暮らしを支える福祉」と、人と会うことや好きなことを続ける「暮らしの豊かさを支える福祉」があり、「この二つがそろって普段の暮らしがある」と強調した。

 一方、自ら助けを求められない人や、一つの世帯に複数の課題が重なるケースへの対応も必要とし、町では全国の市町村に先駆け、令和3年度から「重層的支援体制整備事業」に取り組んできた。行政や社協などが幅広く相談を受け止め、複数の専門職がチームで支援する体制づくりを推進。今後の大きな課題には福祉・介護の担い手不足を挙げ、「御浜町だけで解決するのは難しい」として、市町を越えた医療、介護、福祉関係者の連携の必要性を訴えた。

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