御浜町議会の全員協議会が21日に開かれ、下市木消防団車庫の建て替えを巡り発生した約1500万円の損失や、志原地区津波避難タワー候補地について町執行部が改めて説明した。議員からは町執行部の対応を厳しく問う声が続いた。大畑覚町長や一部議員からは髙岡洋議長の公平性を疑問視する意見も出た。車の両輪と言われる執行部と議会に生じた歪みが目立つ全員協議会となった。
全員協議会での町執行部の説明によると、下市木消防団車庫は老朽化した市木分団1班車庫を改築するもの。令和6年9月2日に業者と設計管理業務委託契約を締結。令和7年1月21日に改築工事請負契約を2915万円で締結した。しかし同27日に隣接土地所有者の代理人から「消防車庫敷地はうちの土地」などの主張があった。町では昭和57年に売買があり、敷地全体が町の土地になっていることなどを伝えた。一方、車庫のある土地の固定資産税が隣接地所有者に誤課税されていたことも確認された。
車庫建設には隣接地に立ち入る必要があったが、隣接土地所有者側が許可をせず、交渉も平行線。町では令和7年12月5日に工事請負契約の中止と、老朽化した車庫の取り壊しのみの随意契約を町議会全員協議会で報告した。
工事請負契約中止に当たっては地質調査や設計費、人件費等の清算金で約1547万円を支払う必要が発生。町はいずれも契約に基づく「支払い義務のある経費」と強調した。
しかし議員からは、対応の遅れや判断の甘さを指摘する声が相次いだ。磯崎薫子議員は隣接地所有者側が強硬な姿勢を示していたにもかかわらず、法的手段を検討しなかった点について「なぜ裁判などに踏み切らなかったのか」と追及。町側は「相手の理解を得ることを優先し、丁寧な説明を続けた」と繰り返した。
また、工事継続の見通しが不透明な中で前渡金を支出した判断や、問題発生から大畑町長が直接対応するまでに時間を要した点について「行政判断の誤りが損失につながったのではないか」との指摘もあり、執行部からは「契約に基づく支出」の説明にとどまった。議会側は、不作為を含めた経緯の検証や再発防止策の徹底を求めており、問題は今後も継続的に議論される見通しだ。

