思いやりの心育む 御浜小 4年生が「がん」考える

 御浜町の御浜小学校(矢賀睦都恵校長)で18日、「聴き合い、伝え合うことで、学びを深めることができる児童の育成」をテーマに全体公開授業研究会が行われた。4年生の総合的な学習の提案授業では、児童たちが初の試みとして「がん」について学び、大切な人が病に襲われた時、どんな事ができるかを考えた。

 午前中は近隣の小中学校から訪れた教諭らが御浜小での授業を見学。午後からは4年生を担当する湊朱里教諭のがん教育「あなたと大切な人の命のために」と題した総合学習を見守った。

 4年生はあらかじめ、日本人の2人に1人が一生の内に何らかのがんになっていることや、がん予防、早期発見と適切な治療などについて学習。18日は実際にがん体験者の方を招き、病気や治療などの話を聞いた。

 御浜小を訪れたがん体験者は2年前に検診で大腸がんが見つかり手術を受けた。「まさか私が」とショックを受ける中で、これまでの生活が一変。趣味の習い事なども全てやめ治療に専念した。

 手術後はコロナ禍だったこともあり、家族の付き添いもできなかった。心細い中で元気づけてくれたのが、病室の枕元に置かれていたお孫さんからの手紙やお守りだった。

 手術後は抗がん剤治療へと移った。2日目から顔が腫れ、吐き気や指先のしびれ、強い口内炎に襲われた。髪の毛も抜けつらい日々だったが、友人が編んでくれた帽子に気持ちが救われた。抗がん剤治療を始めて3週間。ようやく普通の生活に戻りつつあったが、次の抗がん剤治療が始まる。つらい治療はしたくなかったが「せっかく繋いだ命を少しでも長く」という医師の言葉に治療を続けたという。

 自分を気遣ってくれる友人たちに随分助けられた。一番は夫や家族。がん体験者の方は児童たちに「そういう人たちがいなかった治療ができなかったと思う。半年前から習い事を再開し、今はプールに通うことが目標。孫の手紙や友人からもらった帽子は、いつも目に入るところに置いています。がんになったこと、支えてくれた人たちへの感謝を忘れないように、命を大事にしたい」と話した。

 この後、児童たちはグループに分かれ、自分の大切な人ががんになった時、どんな事ができるかを話し合った。授業を通じて児童たちは自分の健康や命を大切にすることの気づき、相手の気持ちを想像し行動する優しい気持ちなどを育んでいた。

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