故郷や行政の関心深む、くまの未来議会中学生3年生が議会体験

 熊野市の中学生が市議会を体験する「熊野市の未来を考える中学生議会(くまの未来議会)」が25日、市役所内の議場で開かれた。市内の全中学3年生107人を対象に実施。9人の生徒が中学生目線で一次産業や観光振興、少子化対策、スポーツ交流、防災など熊野市の未来について一般質問を繰り広げた。

 市教育委員会が主権者教育の一環として昨年に続き開催。市政や議会の意義・仕組みを学び、地方自治への関心を深め、地域課題を解決しようとする態度の育成、社会の形成者として必要な資質・能力の育成に取り組む機会とすることを目的に開催した。

 生徒たちは事前学習を行い、くまの未来議会に臨んだ。午前中は有馬中学校の生徒53人、午後からは木本、新鹿、入鹿、飛鳥中の生徒54人が熊野市役所を訪れ、議場見学などで議会などについて学んだ。

 一般質問を前に、市議会の久保智議長が「堂々と元気よく質問を」と挨拶。河上敢二市長は「成人年齢が18歳になり、皆さんも後3年経てば選挙権を持ちます。体験を通じて市役所や市議会含め地方自治への関心を深めていただき、地域の課題を認識し解決しようという思いを持っていただければ」と述べた。

 この後、午前中は有馬中の岩口和樹、仲森彩乃、田中心愛、中野夢彩さんが水産業の後継者、空き家、少子化対策、スポーツ交流について。午後からは若山結愛(木本中)、中本心(新鹿中)、大江雪子(入鹿中)、小山誓絆(飛鳥中)、小籔璃緒さん(木本中)が通学路の維持管理、図書館利用、ICT活用による学校間交流、観光、防災に関し一般質問。市政への素直な感想や若者視点での提案など子どもたちのしっかりした意見に、執行部も真剣な表情で答弁していた。

 最後は河上市長が「皆さんからいただいた質問はいずれも重要なものばかり。直ちに十分対応することは難しいかもしれませんが、時間をかけてでもしっかり取り組ませていただきたい。皆さんは将来の熊野市や社会を担う大切な存在。未来議会の参加を契機に、自分たちの住む街がどうすれば元気になり、みんなが健康で幸せな生活を送っていけるか、事あるごとに考えていただければ大変ありがたい」と激励した。

 空き家問題の質問を終えた有馬中の仲森さんは丁寧な答弁に感謝し「これからも熊野市のことをたくさん知っていこうと思いました」と話していた。

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