来月1日から特急「南紀」 古道へ誘う木高の声 JR紀勢線竹中、中森さん車内アナウンス

 JR東海は7月1日から紀勢線の特急「南紀」に新型車両「HC85系」を投入する。車内で放送される熊野古道の紹介アナウンスを担当するのは木本高校2年生の竹中天音さん(矢渕中出身)と仲森夢乃さん(有馬中出身)。日本語と英語それぞれ1分30秒ほどの放送で、旅人を熊野古道へと誘う。2人は「多くの人に熊野に来てもらえたら嬉しいです」と目を輝かせた。

 JR東海では新型車両の運行に合わせ、木高生から車内アナウンスの〝声優〟を募集。日本語版のアナウンスに竹中さん、英語版に仲森さんが選ばれた。収録は4月に同校放送室で行われ、二人は「多くのスタッフやテレビカメラもあって緊張しました」と思い出し笑い。

 紹介文は竹中さんが作成した。人々の心の拠り所である熊野古道の情景が浮かび上がる言葉が綴られ「熊野古道は2024年7月に世界遺産登録20周年を迎えます。古くから続く巡礼の道であり、多くの人々が歩いた熊野古道に是非一度お越しください」と呼びかける。

 普段から校内放送のアナウンサーとして活動する竹中さん。収録の際にはアナウンスに合わせてイントネーションを工夫し、古道20周年を少し強調したという。「初めて来る人が車内放送を聞いて熊野には古道があるのか、熊野古道に行ってみようと思ってもらえたら嬉しいです」と話した。

 英語版を受け持った仲森さんは茶道部に所属。最初の頃は紹介文すべてを読み上げるのに2分以上かかっていたが、発音やイントネーションの練習を重ねた。ALTの先生たちの協力も受け、淀みなく1分30秒にまとめた。「外国人の方に熊野に興味を持ってもらえたら嬉しいです」とはにかむ。

 竹中さんと仲森さんの車内アナウンスが流れるのは1年間の予定。二人は「自分の声がアナウンスになるなんて、不思議な感じです。沢山の人に聞いてもらえるのが楽しみ」と笑顔で話した。

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