がん研究に理解と協力を 第28回生命の駅伝 紀宝町~熊野市を縦断

 がん研究への支援を訴える「第28回生命(いのち)の駅伝」(上村眞由実行委員長)が23日、紀宝町役場~熊野市役所までの区間で実施され、のぼりを身につけたランナーが地域を縦断し、活動への協力を呼びかけた。

 生命の駅伝は、1980年にカナダの青年が骨肉腫で右足を切断後、がん研究資金を募るために北アメリカ大陸横断を目指したのがきっかけ。がん研究支援のための募金活動と研究の重要性を啓発することを目的に平成7年から開催されており、今年で28回目を迎えた。

 生命の駅伝の会主催、三重大学共催、文部科学省がんプロフェッショナル養成プラン、三重県、三重県病院協会、松阪地区医師会、金つなぎの会(がん患者の会)後援。今回の駅伝は16日にいなべ市役所からスタート。ゴールは29日、松阪市の中部台運動公園。ランナーは支援を呼び掛けながら各地を走り、期間中に集まった募金の全額は、がんの研究機関に寄付される。

 紀宝町での出発式では、公務で出張中の西田健町長に代わって萬浪紳語副町長が挨拶。「三重県でも毎年5000人ががんで亡くなっておられます。本町でもがん対策は重要課題で、がん検診受診率の向上を柱に、がん予防の取り組みを推進しているところです。この活動を通じて支援・応援の輪がさらに広がるように」と激励した。

 午前10時35分に役場を出発したランナーは、ウミガメ公園、紀南病院を経て午後1時20分に御浜町役場に到着。大畑覚町長から「がん研究は年々進化しておりますが、死亡率は変わらず1番。早期発見、治療が大切で、御浜町でも受診機会を増やす取り組みを行っております。みなさまの活動に、微力ながらわれわれも力になれるよう協力させていただく」と応援の言葉を受け、一行は熊野市方面へ。花の窟、三重県熊野庁舎を経て、夕方にはゴール地点の熊野市役所に到着した。

 熊野市役所では大西浩文副市長が「2人に1人がかかるというがんの研究が今後もさらに進むとともに、生命の駅伝を通じてより多くの方々にがん研究に対する理解を深めてもらいたい」と激励。募金箱が贈呈され、ランナーを代表して松田弘和さんが「私たちの活動が三重大の研究につながり、こうした田舎でも最先端のがん治療が受けられるような構図になればと強く思っていますので、引き続きお力添えを」と謝辞を述べた。

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