個性的な案山子が棚田彩る 丸山千枚田保全へ県がクラファンも

 「日本の棚田百選」の一つ、熊野市紀和町の丸山千枚田を個性豊かな案山子が彩っている。11日にはオーナーを対象にした案山子づくり教室も行われた。

 丸山千枚田は1340枚の規模を誇る日本有数の棚田。約400年前には2240枚あったが、後継者不足などで平成初期には530枚にまで減少した。

 平成6年に「丸山千枚田条例」の制定、地元住民らの協力により復田作業が行われ、現在は1340枚の規模が維持保存されている。オーナー制度も導入しており、今年度は156組182口のオーナーが稲作体験などを通じ、市民と交流を深めている。

 15日まで熊野市ふるさと振興公社が案山子コンテストの出典作品を募集中。優秀作品は9月初旬に開催予定の稲刈りの集いで発表され、丸山千枚田米の新米が贈られる。申込方法は同公社ホームページから申込用紙をダウンロードして記入の上、熊野市ふるさと振興公社まで届ければよい。

 11日にあったオーナー対象の教室には8組30人が参加。角材を骨組みに布や衣装などで装飾し、青々と育つ稲を見守る個性豊かな案山子を完成させた。現在、棚田には青鬼や町娘、妖精などの作品に加え、サッカーワールドカップで活躍するアルゼンチン代表のリオネル・メッシ選手、人気漫画・アニメ「ONE PIECE」の主人公ルフィを模した作品も登場。棚田に彩りと遊び心を添え、訪れる観光客の目を楽しませている。

 一方、美しい景観を維持するには、石垣や水路、農地の管理など多くの人手と費用が必要となる。高齢化や担い手不足が進む中、三重県は棚田を次世代へ引き継ごうと、「みえの棚田を守りたい!~消失危機の絶景棚田を米で次世代へ~」と題したクラウドファンディングを実施している。

 目標額は100万円で、寄付は10月7日まで受け付ける。寄付金は、県内棚田の魅力を伝えるPR動画の制作、荒廃農地の拡大を防ぐ保全管理、地元小学校や企業、若者らとの交流事業に活用する。県外在住者には、寄付額などに応じて丸山千枚田をはじめ県内の棚田米を返礼品として用意している。このクラウドファンディングは「さとふる」の専用サイトから申込可能。

 先人が築いた石垣と棚田を守る農家、農作業を支えるオーナー、棚田を楽しく彩る案山子。それぞれの取り組みが丸山千枚田の魅力を高め、多くの人を現地へ呼び込む力となっている。

  • URLをコピーしました!