バラで地域に彩りを 五郷町の井田さん夢広げ講座も人気

 熊野市五郷町寺谷でローズガーデンを手がける井田剛さん(55)が、バラを通じた地域づくりに情熱を注いでいる。自宅庭を開放するオープンガーデンに加え、無償のバラ講座を始め、愛好者の輪は着実に広がっている。

 4月2日には愛好者3人が井田さん方を訪れ、春以降の手入れ方法を学んだ。庭に咲く多彩な品種を前に、井田さんは一つ一つの特徴や育て方を丁寧に説明。「郡舞はトゲがなく子どもやペットがいる家庭向き。シュネーバルケァーは花数が多く豪華。ルタンデスリーブは比較的育てやすい」などと実例を交えながら語りかけた。

 「バラも人と同じで性格があります」。井田さんはそう強調する。枝の伸び方を見極めて紐で誘引し、剪定のタイミングを誤らないことが大切だという。「みんな花が見たくて我慢できなく、それでは大きく育たない」と笑いを誘いながらも、的確な助言を送った。

 害虫対策にも独自の工夫を凝らす。コガネムシにはペットボトルの罠を用い、カミキリムシ対策には卵の段階でネット保護を施すなど、実践的な知恵を惜しみなく伝えている。

 井田さんによると季節ごとの管理も重要。冬の休眠期を経て、2月中旬から3月末にかけては成長期となるため「一秒でも長く太陽に当てて光合成させることが大切」。4月に入りつぼみが付き始めると「環境の変化がストレスになる」として移動は控えるよう呼びかける。水やりも水が染み込むのを確認し3回に分けて注ぐなど、きめ細かな管理が求められるという。

 講座に参加した有馬町の女性は「農業をやっていてバラに興味がありました。独学ではうまくいかなかったが、教わった通りにしたらしっかり育った」と手応えを語る。井田さんは参加者それぞれの環境に応じた〝マニュアル〟づくりも行っており、「高齢者や障がいのある人でも楽しめるのがバラの魅力」と話す。

 紀伊半島大水害前に移住し、園芸好きが高じて始めた庭づくりは、今では地域の人々を引き寄せる場となった。「バラは愛と美、そして世界平和の象徴。学校や公共施設にも広がれば面白い」。シルバー人材の活用など地域の雇用創出にもつながる可能性を見据え、井田さんの構想はさらに膨らむ。

 手間を惜しまず、正しい知識をもって愛情を注ぐ分だけ応えてくれるバラ。その魅力に引かれた人々が集い、花を介した新たな地域文化が芽吹き始めている。井田さん方のローズガーデンは今年度のオープンガーデンにも初参加。見頃となるのは5月半ば以降とのことだ。バラ講座など問い合わせは井田さん(090・7856・3080)へ。

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