市民会館ピアノ新調へ 熊野市来年度早い時期に購入手続き

 熊野市は4日、市民会館のグランドピアノを新たに購入する方針を決めた。老朽化が進んだ現行ピアノについて、製造元のヤマハミュージックジャパンが現状診断を行い、性能回復は限定的として新調が望ましいとの見解が示されたため。市教育委員会は令和8年度のできるだけ早い時期に購入手続きを進め、年度内の納品を目指す。同日行われた市議会一般質問で畑中新子議員の質問に答えた。

 答弁した雑賀大策教育委員会総務課長によると、今年1月21日に専門技術者が診断を実施。2月10日に詳細説明を受けた。ピアノは基本機能は維持しているものの、響板が経年劣化で膨らみを失い「本来の音色を十分に奏でられない状態」。過去に一度オーバーホールを実施していることから、再度行っても回復は限定的で、本来の音色の再現は難しいという。オーバーホールの費用も約1千万円かかることから、費用対効果の面でも2度目のオーバーホールは推奨されず、新調が適切との助言を受けた。

 購入機種は市民会館ホールに適したものを選ぶため、学識経験者や演奏家ら専門的知見を有する人を交えた選定委員会を設置し検討する。購入費だけでなく将来的なメンテナンスなどランニングコストも精査し、導入後は適切な管理と定期調律で最良の状態を維持する方針。お披露目のセレモニーや活用イベントも検討し、利用促進と文化振興につなげる。

 ピアノの発注から納入まではメーカによりばらつきがあるが、数ヵ月から半年、場合によっては1年ほど掛かることもあるという。

 河上敢二市長は「高額なピアノだからこそ専門家の意見を十分重視し、結論を尊重して購入したい」と述べ、新年度早々に選定委員会を立ち上げるよう、教育委員会に検討してもらいたい考えを示した。畑中議員は選定委員に市文化支援委員会のメンバーを入れることなどを求め「スピード感を持って取り組んでいただきますよう改めましてお願いいたします」と訴えた。

 現在の市のグランドピアノは1972年に購入。老朽化により修繕不可能な部分があることを知ったピアノ指導者らが昨年末、「熊野市民会館ピアノ購入支援プロジェクトチーム」を立ち上げクラウドファンディングを実施。目標の1300万円には届かなかったものの、多くの善意が寄せられた。一般質問には発起人の小林朋香さんら関係者ら20人近くが傍聴に訪れ、成り行きを見守った。市の前向きな答弁に小林さんらは「ありがたくて涙が出た」と喜んでいた。

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