2010年に子ども語り部「古道ガールズ」として注目を集めた熊野市の旧荒坂中学校卒業生が15日、現在は休校となっている同校へ卒業以来15年ぶりに集合。思い出が詰まった〝タイムカプセル〟を開け、旧交を温めた。
同校を卒業して15年、30歳になる節目の年に担任だった久保玄理さん(70)と集まったもの。集まった卒業生は山本(旧姓・濱中)麻里亜、仲森(旧姓・濱田)千鶴、西口愛梨沙、濱口千冬さんで、牧戸美規さんは都合により来訪が叶わなかったが、地元や大阪、津などからの久々の再会を喜び合った。
5人は当時、総合学習授業として「地域の文化伝承」をテーマに学習。熊野古道の語り部を目標として研修を重ね、実際に二木島峠と逢神坂峠ツアーで来訪客を案内した。生徒たちによる丁寧な案内は当時の古道客からも好評を呼び、NHK―BSの「街道てくてく旅」に取り上げられるなど話題も集めた。
久保さんが保管していたという〝タイムカプセル〟には、学校通信や生徒会役員の辞令、修学旅行のしおり、校歌の楽譜、学級日誌など中学時代の思い出が続々。なかには書道作品や夏休みの宿題、荒坂地区の案内パンフレット、おもちゃに加え、古道ガールズとして出演した街道てくてく旅のポスターなどもあり「懐かしい」と声をあげつつ、校歌を口ずさんだり古道ガイドを振り返ったりする光景も見られた。
久保さんは「当時はたくさんの方々から応援していただき、子どもたちの励みにもなって嬉しい限りでした。卒業して15年が経ちましたが、あの頃に帰ることができました。子どもたちの成長も実感しましたよ」と笑顔。山本さんらは「語り部の台本も出てきたのを見て、古道ガールズの取り組みは、今思えばすごく良い経験をさせてもらったと思います。みんなと久々に会えてうれしかったし、懐かしかったし、色々なことを思い出しました」などと口々に喜び合った。