熊野商工会議所の労務対策協議会(会長・榎本義秀会頭)は10日、同所で通常総会を開いた。事務事業の効率化から、同日付で同協議会を解散し、事業を熊野商工会議所が引き継ぐことを決めた。
同協議会は企業の労働力の確保及び従業員の福祉の向上を図り、企業の発展と従業員の社会的・経済的地位の向上に寄与する目的で平成3年に設立された。
総会には会員約20人が出席した。榎本会長は挨拶で「日本の出生者数が70万人を切り、人口推計より15年も速いペースで少子化が進んでいる。熊野市においても令和6年度に生まれた人数は44人。5年で半分になった。国も幅広く対策を講じているが、目立った効果は現れていません。私たちを取り巻く環境は、厳しさを増しています。今後も日本商工会議所や県連と連携し、今まで以上に国や県に要望を行いたい」と述べた。
また、榎本会長は「本日は労務対策協議会の解散について議題とさせて頂いています。理由としては、協議会の事業は本来、商工会議所が行う最も基本な事業であり、事務事業の効率化を図ることからも、そのまま商議所に引き継ぐことで解散しようとするものです。ご理解をお願いします」と呼びかけた。
議事では第1号議案で令和6年度の事業報告や監査報告を承認した。昨年度は雇用・労務対策事業では簿記講座を実施。福利厚生事業では会員大会や婚活事業を行った。情報提供事業として毎月の会報やくまの労基の配布、年2回の三重の景況配布、年1回のビジネスハンドブック配布なども行った。
第2号議案では同協議会の解散について審議した。事務局によると、同協議会は平成3年に国からの申し入れで、労務管理や労働者福祉向上などに関する組織として設立。全国的な動きだったという。しかしその後、国からの補助金が途絶え、引き続き市の補助もなくなった。規模の大きな商工会議所では労務対策協議会を存続しているが、小規模の商議所では多くが解散しているという。解散は全会一致で認められ、榎本会長が「30年あまりにわたり協議会にご協力いただき、誠にありがとうございました」と謝辞を述べた。
総会後はハローワーク熊野の福岡省二所長が「労働状況等の概要説明」を演題に講話した。管内の有効求人倍数は4月で1・24倍。3月には1・49倍になったが、これは新店舗等の開業などが影響したという。