4車線化実現が必要 熊野尾鷲道路建設促進同盟が総会

 熊野尾鷲道路建設促進期成同盟(会長・河上敢二熊野市長)の総会が22日、熊野市文化交流センターで開かれた。熊野尾鷲道路の4車線化早期実現への要望を続けていくことなどを確認した。

 総会を前に開催された近畿自動車道紀勢線事業説明会では、国土交通省紀勢国道事務所の井上秀俊所長が「道路行政をとりまく最近の話題」と題して道路関連予算や熊野道路、紀宝熊野道路の進捗状況を説明した。

 熊野市大泊町から久生屋町間の熊野道路は延長6・7㌔。今年度当初予算は62億5千万円。6本の橋梁と4本のトンネルを計画しており、4本のうち2本のトンネルの掘削を実施。大泊町から木本町の第1トンネルは866㍍の内850㍍の掘削が完了し5月末貫通予定。木本町から井戸町の第2トンネルは先月末で1307㍍の内600㍍掘り進んでいる。熊野インターチェンジ(仮称)は大規模盛土で、第1、2トンネルで出た土で盛り上げ、工事が進められている。

 紀宝町神内から熊野市久生屋町間を結ぶ紀宝熊野道路は延長15・6㌔。今年度は11億円の当初予算で測量、地質、環境、水文調査、用地幅杭設置、用地調査、用地買収を進める。井上所長は「早急に工事着手が出来るよう頑張ってまいります。引き続きご協力を」と呼びかけた。

 総会には尾鷲、熊野市、紀北、御浜、紀宝町の構成市町の関係者ら約30人が出席した。主催者を代表し、河上市長が会員の協力に感謝し挨拶。「昨年12月に長年の希望だった新宮紀宝道路が開通し、交通がスムーズに流れるようになりました。熊野道路、新宮紀宝道路の工事を進めミッシングリンク解消の取り組みを進めたい。熊野尾鷲道路は一応の暫定2車線ですが、能登半島地震では道路が寸断され、その後の救援、復旧活動に大きな支障が出た。全国的に見ても4車線すべてが土砂崩落等で通行止めになる事例はほとんどないと聞いています。熊野尾鷲道路も暫定2車線から想定されている4車線化への取り組みを進める必要があります。熊野道路、熊野紀宝道路の完成に向けても力を入れ、この地域全線での高速道路開通の取り組みを進めたい」と一層の団結を呼びかけた。

 来賓を代表し藤根正典県議が祝辞。議事では熊野尾鷲道路や紀勢自動車道(紀勢大内山IC~尾鷲北IC)の4車線化について早期事業化を図るため、関係機関の要望活動などの事業計画を承認。地域に必要な道路事業予算を確保し、紀伊半島を一周する高速道路の早期全線開通と4車線化を強く求める決議文を採択した。役員改選も行われ、河上会長ら全員を再選した。役員は次の皆さん。

 ▼会長=河上敢二(熊野市長)

 ▼副同=加藤千速(尾鷲市長)

 ▼理事=尾上壽一(紀北町長)、西田健(紀宝町同)

 ▼監事=大畑覚(御浜町長)

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