熊野市ふるさと振興公社は10日、紀和町の同公社長野ほ場で市特産の香酸かんきつ・新姫の収穫作業を開始した。新姫は様々な加工品開発に利用されているが、新鮮な生果が味わえるのはこの季節だけ。同公社では「新姫の風味を味わっていただければ」とPRしている。
新姫は新鹿町で発見された。ニホンタチバナとマンダリンの交雑品種と推定され、平成9年に品種登録された。爽やかな香りが広がる香酸かんきつで、果汁は鍋物や焼き魚などの各種料理に相性がよく、焼酎にも合うと評判。加工食品も開発が進み、現在は果汁やポン酢、飴、アイスクリーム、くず餅、ドレッシング、パウンドケーキなど年々多様になり、今年は新姫ドリンクを100ミリ㍑から160ミリ㍑に内容量を変更し、より味わいやすく苦みを抑えてリニューアルした。
本年度は裏年に当たるうえ、暑さと少雨の影響から収量の減少が見込まれるとのこと。個人と団体合わせて22軒が約7ヘクタールで栽培し、昨年より約10㌧少ない16㌧程度の収量になりそうとのこと。初日はスタッフが約3㌢以上に育った新姫を1つひとつ丁寧に収穫していた。
生果の販売は地元のみとし、12日(土)から鬼ヶ城センター、熊野市駅前特産品館、お綱茶屋で販売開始。価格は1㌔1080円。
同公社の辻加純さんは「焼き魚やお肉料理、お鍋、お酒の割材等々、ぜひご賞味ください」と話していた。商品に関する問い合わせは同公社(0597・97・0640)まで。