16日には付属講演会も 先人たちの想い感じて 歴史民俗資料館企画展「路傍に佇む石造物」

 熊野市歴史民俗資料館(更屋好年館長)による企画展「路傍に佇む石造物」が12日から、井戸町の市文化交流センターで始まった。同展は17日(日)までで、16日(土)午後2時からは、会場で向井さんによる付属講演会を開催する。

 企画展は更屋館長と大泊町の郷土史研究家・向井弘晏さんが、令和元年から約5年かけて調査した熊野市内の地蔵と道標を中心とした石造物について報告する内容となっている。歴史的文化的遺産が数多く現存している熊野市において、峠道や里にひっそり佇む地蔵と道標に着目。「人知れず 知る人ぞ知る」を基本テーマとして、パネル約100点を展示した。

 展示パネルは峠道や生活古道、集落に残る石造物について、猟師や地元住民、山林関係者らから情報を集め、更屋館長と向井さんが現地に赴いて調査したものをまとめたもの。地蔵は大きく里、峠、古道の3つに分けて展示し、パネルには場所や寸法、形状、概要と現状などを写真と合わせて記載。特に子どもの健やかな成長を願う子安地蔵が多く、乳の出を良くすることを願う乳地蔵や水枯れの無いことを願う水地蔵に加え、供養や道標替わりになるものもあった。

 また、道標では熊野三山への案内となる巡礼道標が4ヵ所あり、生活道の峠で各町の方向を示すものも。合わせて位置を示す地図や付属展示として庚申塔の分布図、水大師参詣道の石造物も展示しており、初日から来場者が興味深く見て回り、向井さんや更屋館長に解説を求めていた。

 付属講演会は入場無料で申し込み不要。向井さんは「昔の人は暇とお金がなく、子どもが病気をしても地蔵さんに頼るしかなかった。生活様式の変化などで忘れられつつあるが、心の拠り所であり、住民の想いが詰まった地蔵さんを記録に残すことで、歴史の一コマとして皆さんに知って頂ければ」と話していた。

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