雨もなんのそのと渡御 木本祭り威勢よく町内練り歩く

 熊野市木本町、木本神社(田中安弘宮司、本山拓哉総代長)の例大祭が9日に執り行われた。雨天のため本祭を8日から順延して実施。4年ぶりに新出町のダンジリ、大名行列を伝える六方行列(親地町)、祭りの華ヨイヤ(栄町)、子供みこし(井筒町)、元宮太鼓(新田)の各町のダシが神社に集結。白装束の若者らに牽引、担がれた総重量約1㌧の神輿が雨もなんのそのと、町内を練り歩き、威勢のいい掛け声や祭囃子が響き渡った。

 午前9時から神事が執り行われ、本山総代長や総代、各町の祭典委員長、谷川孝栄、藤根正典両県議ら来賓が参列した。田中宮司が祝詞を奏上し、木本小学校5年生の九鬼若奈、前川優希、中谷莉桜さん、井戸小同の島花音さんが浦安の舞を奉納。「七力」の山本涼介(木本高2年)、田中慧毅(御浜中1年)、村上晴哉(阿田和中同)、橋目涼太郎(金山小6年)、妻有汰紋(同)、田中大智君(御浜小1年)が雅楽演奏した。

 神事の間、神輿の先導役のダンジリ、続いてヨイヤ、六方行列、子供みこし、元宮太鼓の各役町のダシが笛や太鼓、祝い唄など賑やかに神社へ集結。ダンジリの神楽による蝶取り儀式があり、ジイジイ(天狗役)の花尻光君(井戸小1年)が見事な演技を見せた。

 神輿は午前11時過ぎに、山本裕也神輿奉仕委員長や森岡圭、濵本健太両副同をはじめ海水で身を清めた白装束の若衆約100人の奉仕委員の手で神社を出発した。小雨の中での渡御となったが、沿道は町民や見物客で賑わいを見せた。神輿は午後2時過ぎにお旅所の新出町稲荷神社に到着し、休憩を挟み、同神社前の七里御浜海岸で勇壮な浜担ぎを敢行し、神輿を波で清めた。

 帰路の三十三銀行熊野支店前の交差点付近では、各町の関係者が神輿の到着を待ち歓迎した。この後、神輿は奉仕委員に担がれ午後10時頃に神社へと戻った。境内には氏神様の帰参を祝い、風雨や寒さに耐え、立派に渡御を遂行した若衆を労おうと町民らが集まった。ご神体が納められると、境内は大拍手と感動の渦に包まれた。最後は立派に大役を果たした山本委員長、それを支え続けた両副委員長らの体が胴上げで大きく宙を舞い、めでたく祭典を締めくくった。

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