溺れた男性に胸部圧迫 勇気ある行動で人命救う 後呂さん(くろしお学園教員)に感謝状贈呈

 今月2日に熊野市飛鳥町の大又川で遊泳中に溺れた70歳代の男性を救命したとして熊野市消防本部は29日、熊野市在住で東紀州くろしお学園教員の後呂安雄さん(39)に感謝状を贈呈した。

 同本部と後呂さんによると、男性は2日午後1時頃に飛鳥町小阪の大又川で遊泳中に溺れた。川岸にいた後呂さんの妻が異変に気付き、子どもと川遊びをしていた後呂さんに伝達。約20~30㍍先で頭が浮き沈みする男性の元へ急行したがすでに呼吸がなかった。その場は足がつかない場所であったことからとにかく早く対処をと浅瀬へ運び、声をかけながら片腕で男性の頭を水面へ浮かせ、もう片方の腕で胸骨圧迫を繰り返したという。

 後呂さんの懸命な救命活動の甲斐あって男性はやがて息を吹き返し、救急隊が駆けつけた時にはすでに意識も回復。搬送後は1週間ほどの入院で日常生活を取り戻した。

 感謝状の贈呈式では、湊健消防長が「迅速で適切な応急手当を実施し、尊い人命を救って頂いた。救助された男性も、感謝の言葉を述べられています。全国各地で水難事故が多発する中、後呂さんのとった勇気ある行動は模範となるもの。より多くの方にお伝えし、できるだけ多くの方々に救命措置を学んでいただく機会を作っていきたい」と感謝の言葉。後呂さんは「顔色が青白くて息もない状態でしたが『救急隊が来るまでは』とあきらめずに続けて良かった。年に1回、学校の研修で救急法を学んでいたことが生きました。とにかく命が助かって良かったという気持ちに尽きます」と話していた。

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