山本氏(自民)が雪辱果たす 参院選 三重は与党が議席奪還

 第26回参議院選挙は10日に投開票が行われ、自民、公明両党の与党が76議席を獲得し、改選議席の過半数62を確保した。自民、公明と改憲に前向きな日本維新の会、国民民主合わせて参議院の3分の2を超え、今後の改憲議論にも注目が集まる。新人4人が立候補した三重選挙区(改選数1)では、自民党の山本佐知子氏(54歳、公明党推薦)が無所属の芳野正英氏(47歳、立憲民主、国民新党推薦)、参政党の堀江珠恵氏(47歳)、NHK党の門田節代氏(54歳)を破り、22年ぶりに県内の参院議席を自民党が独占した。

 三重県選挙区は2004年から3期18年を務めた芝博一氏の引退に伴い、野党が議席を死守するか、自民が18年ぶりに奪還するかが注目点。山本氏と芝氏の後継に当たる芳野氏の実質的に一騎打ちの形となった。

 元県議の山本氏は自民党や公明党はじめかつての同僚・先輩県議らから支援を受け、各地で草の根選挙戦を展開。物価や原油高、人口減少、インフラ、地域格差への対応などを訴えた。岸田文雄首相や安倍元首相ら大物も続々三重県入りし山本候補を応援した。6年前の参院選では惜しくも現職の芝氏に届かなかった山本氏が、芳野氏相手に雪辱を果たす結果となった。

 開票開始の午後8時と同時に当選確実の報せが入ると、山本氏は四日市市の選挙事務所で支持者らと万歳。「皆さんのお陰で当選を勝ち取ることができました。この流れを前へ前へと進めたい。皆さんの声を国に届けたい」と力を込めた。また、安倍晋三元首相から受けた「真の勇者は転んでも起き上がって挑戦する人だ」との激励を想起し「この言葉に恥じない人間になりたい」と述べた。

 一方、立憲、国民、連合の三重県方式で臨んだ芳野氏は終盤追い上げを見せたが、涙をのむ結果となった。芳野氏は「勝ちきれなかったのは私の力不足。支えてくださった皆さんに感謝とお詫びを申し上げます」と頭を下げた。芳野氏と行動をともにした岡田克也衆議院議員は「野党勢力を再結集し、来年の統一地方選などで選択肢をつくっていく」と述べた。

 参院選は全国の投票率が52・05%。前回48・80%から上昇したが、過去4番目の低さだった。三重県内の投票率は52・78%で、前回から1・09ポイント上昇した。

  • URLをコピーしました!