御浜町議会は29日の令和8年第3回臨時会で、市木消防車庫建設にかかる公金損失等調査特別委員会設置に続き、町福祉健康課の随意契問題を調査する地方自治法第100条に基づく「随意契約等調査特別委員会」(百条委員会)の設置を5対4の賛成多数で可決した。さらに、大畑覚町長に対する問責決議も可決し、同日の臨時会で二つの百条委員会設置と町長問責決議が相次いで議決される極めて異例の展開となった。
随意契約問題の百条委員会設置は松本有希議員が動議として提出。市木消防車庫問題と合わせて一つの委員会で調査する案も検討されたが、議会運営委員会で認められず、独立した案件として提案したと説明した。
提案理由では、7月24日の地域活性化調査研究特別委員会で、元福祉健康課長が退職3日後に300万円の福祉アドバイザー業務を受託したことや、元課長が関わった生活支援体制整備事業が400万円で随意契約されていたことなどを挙げ、「受託者が事業の企画・起案に関与した疑いがあり、契約手続きの適法性や意思決定過程に重大な疑義がある」と主張。予定していた職員への任意ヒアリングが前日に中止となったことから、「通常の調査では限界があり、百条委員会による調査が必要」と訴えた。
質疑では南州計議員が「百条委員会は議会の伝家の宝刀とも言える強い権限であり、質疑や資料要求などを十分尽くした上で判断すべきだ」と指摘。「町長は検証すると述べており、その結果を待ってからでも遅くない。住民サービスの停滞も懸念される」と慎重な対応を求めた。これに対し安田圭太郎議員は、「担当課への通常の調査では真相解明に限界があった。法令違反の疑いがある以上、法的に担保された調査権限が必要だ」と説明。磯﨑薫子議員も「随意契約に関する資料は極めて入手しにくく、町が了承していたヒアリングも前日に突然中止された。事実解明を回避するような対応だった」と述べ、「百条委員会でなければ真相究明は困難」と必要性を強調した。
討論では南議員が「町側の検証を見極めた上で判断しても十分間に合う」。また、池上議員が「町が任意ヒアリングを認めなかったことへの対抗手段ではなく、本当に百条委員会でなければ解明できないのか、議会全体で共有されているとは言い難い」と反対。対し、安田議員は「業者の能力と契約手続きの適法性は別問題。目的が正しくてもコンプライアンスを無視した手段は許されない」、磯﨑議員も「適法な手続きだったのか町民が納得できるまで説明する責任があり、そのためには百条委員会が必要」と賛成した。
採決の結果、山本章彦、安田、松本、磯﨑、宇城公子議員が賛成し、百条委員会設置を賛成多数で可決。髙岡議長が委員は市木消防車庫問題の百条委員会と同じ安田、松本、磯﨑、山本、宇城の5議員を選任し、委員長に山本議員、副委員長に安田議員を選出した。
続いて磯﨑議員が、大畑町長に対する問責決議案の動議を提出。「二元代表制の根幹に関わる問題として議会の意思を明らかにする」と提案理由を説明した。問責決議案には法的拘束力はなく、質疑では南州計議員が「問責決議より法的拘束力の強い不信任決議を提出する考えはなかったのか。法的強制力のない問責決議は、町長への抗議の意味合いと受け止める。不信任案の方がすっきりしたのではないか」と牽制し、提出議員へ疑問をぶつけた。
磯﨑議員は「どの決議を選択するかは議会の自由だ。町議会は二元代表制の下で町長と対等な立場にあり、行政から介入を受けないことが重要だ。将来に悪しき前例を残さないためにも議会の考えを明確に示す必要がある」と訴えた。
討論では山本議員が「町長の回答は二元代表制の根幹を理解していない不誠実なものだった。議長が適法に行使した討論・表決権に行政トップが異を唱えることは議会への不当介入だ」と賛成。一方、野地本隆議員は「町長の発言は政治的見解であり、違法・不当と直ちに判断できない。政治的見解の違いだけで問責することは議会と執行部の健全な緊張関係を損ないかねない」と反対し、池上議員も「誤認した部分は町長自身が撤回しており、白紙撤回しなかったことだけで問責するのは慎重であるべきだ」と述べた。
問責決議も百条委設置と同じ構図の5対4の起立多数で可決された。議決後、大畑町長は取材に対し、「決まったことに何もいうことはありません」と述べるにとどめた。

