紀宝の民家裏で土砂崩れ 予想外の豪雨 人的被害はなし

 温かく湿った空気が流れ込んだ影響などで三重県南部は25日夜から26日にかけ、予想外の豪雨に見舞われた。紀宝町では民家近くで土砂崩れが発生したが、27日午前10時現在、幸いにも人的被害などは確認されていない。

 県によると、26日午前6時10分、紀宝町に大雨警報が発令。その後、紀北町、志摩市、南伊勢町に大雨警報、熊野市に洪水警報が出された。

 御浜町御浜の観測点では26日午後0時40分までの24時間雨量が230㍉、紀北町紀伊長島で208・5㍉、尾鷲市尾鷲で171・5㍉を観測。紀北町では午前7時36分までの1時間雨量が観測史上最大となる96㍉の猛烈な雨となった。

 大雨の影響で、紀北町長島地区で非住家1件が床下浸水し、民地内法面の一部崩落1件。紀宝町では鮒田地区と大里地区でそれぞれ1件の民家裏の法面崩落があった。

 雨により県道七色峡線(熊野市井戸町瀬戸から神川町花知)、県道熊野川紀和線(熊野市紀和町楊枝から大河内)、県道小船紀宝線(熊野市紀和町小船から紀宝町鮒田)などが一時通行止めとなった。JRも三瀬谷から新宮間で運転見合わせや遅延運行となった。

 熊野市・南牟婁郡では紀宝町の相野川や御浜町の市木川、尾呂志川、熊野市有馬町の産田川などが氾濫寸前。産田川沿いに住む男性は「あと少しで道路が浸かるところだった。台風時などならあらかじめ備えて置くのですが、今回のは本当に予想外の雨でした。大事に至らずに良かった」と話していた。

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