縄文土器や中世の香炉など 鵜殿西遺跡の出土品らズラリ 熊野古道センター企画展東紀州の遺跡をたずねて

 三重県埋蔵文化財センターとの共催による、鵜殿西遺跡を中心に東紀州地域の様々な遺跡を紹介する特別企画展示室企画展「東紀州の遺跡をたずねて」が現在、尾鷲市の熊野古道センターで開かれている。展示は来年1月12日(月)まで。

 熊野古道センターによると、自動車道延長に伴い新たに発掘調査が行われた紀宝町にある熊野川河口部の鵜殿西遺跡では、様々な地域の土器・陶磁器が出土した。今回はその鵜殿西遺跡を中心として、津の森遺跡(熊野市)、後呂地遺跡(同)、岡地遺跡(同)、ハサマ遺跡(同)、多田ヶ瀬遺跡(紀北町)、道瀬遺跡(同)の7つの遺跡からの出土品と、熊野市木本町の音鍛冶の遺品計200点を展示した。

 会場には鵜殿西遺跡から出土した縄文土器の深鉢や平安~鎌倉時代の香炉や石鍋など、室町~江戸時代の壺、高杯、煙管、銭貨など、歴史深い貴重な品々がズラリ。道瀬遺跡から出土した弥生時代や古墳時代の土師器や須恵器の壺、杯などと、津の森遺跡から出土した鎌倉時代の山茶碗なども並び、太古の昔から人々の暮らしがこの地にあったことを示している。

 さらに、熊野市木本町の音鍛冶からは鍬先や釘、金槌、砥石などを展示。熊野古道センターでは「東紀州地域は、熊野灘を介して多くの人やものが行き交い、平安時代以降に熊野詣が盛んになると、新宮の周辺は大きく発展。熊野川河口部の鵜殿西遺跡(紀宝町)の発掘調査では、様々な地域の土器・陶磁器が出土し、中近世の物流の様子が明らかになりました。今展では鵜殿西遺跡を中心に、その遺跡・遺物を紹介していますので、ぜひご覧ください」と呼びかけている。

 入場は無料で会期中は12月31日と1月1日を休館とする。問い合わせは熊野古道センター(0597・25・2666)まで。

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