水大師と参詣道を 熊野市歴史民俗資料館 来月5日、歴史探訪へ

 熊野市歴史民俗資料館(更屋好年館長)は3月5日(日)午前8時30分から、歴史探訪「水大師と参詣道~その歴史と路傍に佇む石造物を訪ねて~」を開催。参加者を募集している。

 水大師は熊野市井戸町大馬地区の集落から南に向けた林道の終点にあり、弘法大師を祀り、お堂に湧く霊水が眼病や病気によく効くと伝えられる。幕末から昭和40年代初め頃まで大勢の人がお参りし、弘法大師命日の21日の縁日には露店や見世物が並び、約3000人が参拝に訪れるなど大変な賑わいとなり、木本の花火大会もこの日に開いたほどだったと伝えられている。

 現在では行きかう人の姿も稀で参詣道も荒廃の一途にあったが、昨秋から熊野あらけ隊(陰地成典代表)が枝葉に埋もれた道を発掘。木々が立ち並ぶ山中で枝葉や倒木、生い茂った草などを取り除くと美しい石畳が姿を現し、木本町切立からと、井戸町の大峰公園からの2つのルートで参詣道が甦った。

 そこで同館では参詣道の復活と合わせて往時の賑わいを偲んでもらおうと歴史探訪の催しを企画。史跡水大師はもとより、道中には10基余の石造物(地蔵、庚申、道標、名号碑)、棚田跡、山の神などがあり、郷土史研究家の向井弘晏さんが現地説明を行うという。

 参加費は500円で定員は30人程度。更屋館長は「熊野あらけ隊の皆さんのご尽力で参詣道が甦り、たまたまこの道を通って参拝に訪れた地元の方は涙を流して喜んでいました。見どころの多いルートであり、忘却の一途にある明治・大正・昭和期の繁栄の一端を偲んでもらえたら」と多数の参加を呼び掛けている。申し込み・問い合わせは同館(0597・89・5161)まで。

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