今月中にアンケート 紀南地域高校活性化協議会 木本、紀南高のあり方議論

 紀南地域高等学校活性化推進協議会(会長・平山大輔三重大学教育学部教授)の令和4年度第3回会議が8月31日、熊野市文化交流センターで開かれた。今月中に地域の中学生や保護者を対象に実施する、高校統合の方向性を含めたアンケート案などを協議した。

 同協議会は紀南地域の高校の特色化・魅力化を図り生徒にとって魅力ある学習環境を整備するため行われているもの。学校や地域代表者ら20人が委員を務める。令和7年度に木本、紀南高校で1学年5学級規模になることが見込まれることから、統合問題も含め12月までに一定の方向性をまとめることになっている。

 今回も地域の高等学校に具体的に想定される学びと配置のあり方を議論。前回の協議会で高校のあり方について▽2校が統合して1つの校地で学ぶ(1学年5学級規模)▽2校が連携して2つの校地で学ぶ(4学級と1学級)▽2校が独立して学ぶ(1校3学級と1校2学級)の3パターンの想定が示されており、これらの考え方について議論を深めた。

 委員からは高校の進路選択があることで子どもたちの成長度合いが大きくなるといった意見や、県立高校の活性化計画をもう一度議論することが必要といった声も。統合して木本高校が校地となった場合、紀宝町の生徒は通学に年間7万5千円ほどの負担があるため、和歌山県の高校に進学し、一層、生徒減少に拍車がかかるとの指摘もあった。一方で、通学に関する行政の補助や、バイク通学の可能性を探る意見も出ていた。

 引き続き、アンケート調査の内容について意見を交わした。アンケートの実施案は紀南地域(熊野市、御浜町、紀宝町)の中学2年生約250人と、紀南地域の中学1、2年生全員の保護者約500人を対象に、9月中に実施。中学生は学校のパソコンシステムを使用、保護者には紙媒体で行う。

 保護者アンケートには高校を選ぶ時に重視することや、入学する高校に期待する教育、令和7年度の学級数減少を踏まえ、統合や分校など高校のあり方のどの考えに近いかなどを設問。中学生には高校を選ぶときに重視することやどのような学習をしたいか、どれぐらいの学級規模の学校で学びたいかなどの質問を設けている。

 アンケートについては「保護者の意見をどう受け止め協議で生かしていくのか。協議とアンケートの結果が離れてしまうこともあるのでは」と懸念を示す委員も。平山会長は「アンケートであり投票ではない。当事者が何を考えているか、協議会として知るべき」と理解を求めた。なお、統合の最終的な判断は県教委が行うもので、場合によっては協議会での意見が覆る可能性もあるという。

 次回の協議会は11月上旬に開催を予定している。なお、紀南PTA連合会の役員変更に伴い、今会議から野地本隆P連会長が高垣裕人前P連会長に変わり、委員を務める。

  • URLをコピーしました!