月末の全国カンキツ研修大会控え 南紀みかんの現状認識 県果樹振興議連が研修

 三重県議会議員で作る三重県果樹振興議員連盟(西場信行会長)の令和4年度研修会が18日、御浜町の紀南果樹研究室などで開催され、15議員と生産者、全農三重、JA伊勢、県・市町職員らが参加した。

 研修会は谷川孝栄議員の司会で進行し、開会にあたりJA伊勢の西村隆行組合長が「生産資材の高騰が続く中、多くの農家経営はひっ迫している。県の農業発展のためお力添えを」とあいさつした。JA伊勢の山本裕二部長が三重南紀の柑橘生産の現状について説明し、JA全農みえの新良和也部長が今年8月30、31日に金山パイロットファームなどで開催を予定している第63回全国カンキツ研究大会の概要を紹介。同研究室の鈴木孝明室長が試験研究の取り組みやカンキツ研究大会で視察する園地について説明した。

 次に、「スマート農業実証プロジェクト」で実証したウェザーステーションの観測データと連動した樹体環境制御による省力高品質栽培技術などのスマート農業や、高品質安定生産技術を導入した御浜町の園地を視察。大会の視察場所でもある園地で説明を受けた。

 引き続き御浜町農業団地センターで地元生産者との意見交換が行われた。

 意見交換は産地の現状や今後の取り組みなどをテーマに行われ、地元からは三重南紀みかん地域運営委員会の谷口剛委員長ら9人の生産者が出席。生産者からは生産者数の減少による荒廃園の増加や園地の老木化などから生産量が減少し、産地の維持そのものが厳しいなかで果樹産地構造改革計画の達成に向けて努力していることなど、現状が示された。また、園地転換事業の継続や優良園地の再生基盤整備、スマート農業技術の普及へ向けた通信環境の整備、肥料や農薬、資材等の高騰に対する支援を訴える声や「産地を次世代につなげていくためにもここ2~3年の取り組みが大切」との声もあり、議員らはメモを取りながら課題解決へ耳を傾け、同連盟副会長の藤根正典議員が「品質・収量の確保と担い手確保は車の両輪。しっかりと今日のご意見を参考に、県議会で議論します。全国研究大会を契機にこの地方を知ってもらい、全国に発信してかんきつ振興の大きな飛躍へつなげていきたい」と述べた。

 最後は金山パイロットファームで大規模経営に合わせた園地や品種構成、大型機械、スマート農業などを取り入れた園地を視察。南紀みかんの産地について認識を深めていた。

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