英霊諸氏に哀悼の誠 熊野市戦没者追悼式 1490柱に感謝捧ぐ

 熊野市社会福祉協議会(濱田秀人会長)主催の令和4年度戦没者追悼式が29日、市民会館大ホールで開かれ、遺族や関係者約159人が参列した。

 同市内の戦没者は1490柱で、3年に1回、追悼式を開いている。式は同社協の三間則為副会長の開式のことばで始まり、国歌斉唱、黙祷のあと、濱田会長が「謹んで哀悼と慰霊の誠をささげます。戦後生まれの世代が日本人口の8割を超える中、現代の平和と繁栄は戦火の中で亡くなられた多くの尊い犠牲の上で築かれていることを忘れてはならない。戦前・戦後の日本は激動の時代でも人と人との温かいつながりが確かに存在し、苦しいながらも寄り添い、助け合って生きてきた風土があった。今こそ激動の時代を切り開いてきた先人の方々の底力と人間味を手本とさせていただくことが道しるべになる。先人が大切にいつくしみ育んでこられた熊野をしっかりと受け継ぎ、誰もが住みよいまちになるよう邁進していく所存。御霊がとこしえに安らかんこと、我が故郷熊野の繁栄と平和をお導き賜りますことを念じます」と式辞を述べた。

 熊野市遺族会の立嶋昌洪会長は「平和と繁栄は諸英霊の尊い礎の上に築かれたものであることを胸に刻み、忘れてはならない。ロシアの仕掛けた戦争でウクライナの現状はまさに敗戦後の日本と重なる。平和の尊さが今ほど身に染みることはない。世界の恒久平和とご英霊の皆様方の冥福を心からお祈り申し上げる」と、熊野市遺族会遺児代表の濱口英子さんは「今こそ戦争の悲惨さと平和の尊さを次の世代にしっかり伝えていくのが遺族の務め。国と国との紛争は平和的に解決する方法や平和の大切さを積極的に学ばれることを希望します。あの大戦の困難な時代を克服したようにコロナ禍も乗り越えるので、ご英霊の皆様、私たちの行く末が平安で幸せであるようお見守りください」と追悼の言葉。河上敢二市長、久保智市議会議長、谷川孝栄県議、藤根正典県議も英霊への感謝と、二度と大戦の過ちを犯さないよう誓いの言葉を述べ、追悼の誠を示した。

 この後、濱田会長や市遺族会の立嶋会長、河上市長、大西浩文副市長、倉本勝也市教育長、野村廉士紀南地域活性化局長、市議、遺族会地区代表らが次々と献花。悲しみを胸に、恒久平和への祈りを込めた。

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