定置網柱に体験充実を 熊野市観光協会が総会 コロナ後の取り組み確認

 熊野市観光協会(中平孝之会長)は26日、熊野市民会館で令和4年度定期総会を開いた。新型コロナウイルスの影響で熊野大花火大会が3年連続中止となるなか、定置網体験を柱とする観光誘客など、コロナ収束後を見据えた取り組みなどについて確認した。

 総会には中平会長や来賓の河上敢二市長をはじめ、会員ら約20人が出席した。中平会長は「残念ながら今年も花火は中止という決断をさせていただいたが、この熊野大花火をいかにして存続していくか、皆様の知恵をお貸しいただきながら検討を進めていきたい。とはいえ、熊野には観光材料がたくさんある。協会では3年前から体験観光の充実を図っており、漁協と連携し熊野市で3ヵ所の定置網体験ができるようになった。5月の連休にはたくさん来ていただき、6月も多く問い合わせや決定を頂くなど滑り出しは好調。また、朝が早いため宿泊が伴い消費も増えると見込んでいる。体験観光を前面に押し出して活動できればと考えている。アフターコロナに向け、取り組みを推進していきたい」と語った。

 河上市長は「花火の中止は残念だが、この大花火大会に代わる花火大会ができないか前向きに検討しており、観光集客につながる花火大会をぜひとも実行したい。全国の市町村ではウィズコロナ前提の観光集客の準備を進めていると聞いているが、差別化できる一つの要素はやはり体験。コロナ前の熊野市の観光集客は110万~120万人だが、宿泊につながるのは1割程度で大きな課題だった。滞在時間が増えると消費額も大きくなるので、観光名所以外に色々な体験メニューを用意して滞在時間を長くするのは大切な取り組みであり、差別化できる定置網体験は非常に大きなメニューになる。市としても体験メニューの数を増やしたいと考えており、協会員の知恵やご協力を頂ければ」と祝辞を述べた。

 この後、議事に移り▽SNSを活用した情報発信の充実▽観光協会の会員拡大▽地域おこし協力隊観光事業の充実▽観光オンライン講座の実施▽IVUSA(国際ボランティア学生協会)との連携▽クマノザクラの生息箇所・開花時期・見所場所の調査▽ふるさと大使・熊野市観光比丘尼の活動支援▽定置網漁体験等、体験観光の推進―などの事業計画を承認した。

 今年度役員は次の皆さん。

 ▼会長=中平孝之▼副同=糸川佳男、川原直美、紀の川良子、河上哲治▼理事=西地隆彦、里口健一、林伸行、速水一成、堀後伸司、山本方秀、和田いく子、赤阪俊一、湊良直、田野栄一、榎本千恵、向井里江▼監事=岩本育久、中川康司。

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