熊野古道への誘客にも期待 商用運航へ需要調査 空飛ぶ車構想伊勢志摩拠点に観光地結ぶ

 三井不動産(東京都中央区)と、同グループで「NEMU RESORT」を運営する伊勢志摩リゾートマネジメント(志摩市)は、三重県が公募した「空飛ぶクルマの将来的な商用運航に向けた『社会実装可能性調査補助金』」に共同提案した事業が採択されたと発表した。伊勢志摩を核とした中部・関西広域の空のモビリティネットワーク構想について、需要や運航ルート、離着陸場(バーティポート)などの実装可能性を調査する。

 事業名は「伊勢志摩を核とした中部・関西広域空のモビリティネットワークの需要・実装可能性調査事業」。近鉄グループホールディングス、エアロトヨタ、Skyports Limited、中部電力ミライズが連携事業者となり、トヨタ自動車と中部国際空港が協力事業者として参画する。

 調査では、伊勢志摩を中部・関西広域観光ネットワークの結節点と位置付け、愛知・中部圏や大阪・関西圏からの観光需要を取り込みながら、伊勢志摩、熊野古道、高野山、奈良などを結ぶ広域周遊ルートや旅行商品の可能性を検討する。また、高付加価値旅行者(一人当たりの着地消費額100万円以上の旅行者)を中心とした需要を調査するとともに、複数の運航ルートや離着陸場候補、充電設備などの電力インフラ、既存交通との接続性についても実装可能性を検証する。

 さらに、鉄道やバス、タクシーなどの陸上交通、ヨットなどの海上交通、空港、宿泊施設や観光施設との連携も含め、将来的な商用運航に必要な条件を整理する。平時には観光需要の活性化や広域周遊の促進による滞在日数、観光消費額の拡大を目指すほか、将来的には地域間移動の利便性向上や、災害時の救急、物資輸送、孤立地域への支援などへの活用可能性についても検討する。

 空飛ぶクルマは電動で低騒音という特長を持つ次世代の移動手段として期待されている。三重県は伊勢神宮や鳥羽、志摩、熊野古道など豊富な観光資源を有する一方、中部国際空港や関西国際空港からのアクセスや、伊勢志摩から熊野古道、高野山、奈良へと広がる周遊ルートの利便性向上が課題となっている。今回の調査では、空のモビリティを観光だけでなく、交通や防災にも役立つ社会インフラとして位置付け、伊勢志摩を核とした中部・関西広域での社会実装の可能性を検証する。

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