熊野市文化交流センターで25日から、企画展「第6回語り継ぎたい平和への想い~積み上げた証言の記録~」が始まった。展示は8月11日(火)までで、今月30日(木)午前10時からは作家の中田重顕さんと朗読の阪本浩子さんによるギャラリートークが行われる。
これまでの様々な戦争で多くの熊野びとが戦死し、遺族が悲しみに暮れた。戦後81年が経過し、二度とあっては絶対ならないこの悲劇を後世に伝えるべく開いたもの。作家である中田さんに寄せられた様々な資料を基に中田さんが取材し、戦争を体験した人々や遺族らから集めた証言や遺品などをパネルにまとめた。
会場には熊野の地から戦地へと赴いた人々の体験談や手記などを展示した。今回新たに、神風特別攻撃神雷部隊第一建部隊で戦死した、熊野市育生町尾川の岡本耕安さんを紹介。在りし日の写真とともに、次兄・光一さんへ綴った自筆の手紙と、光一さんの無念の想いが込められた追悼文も記されている。
パネルではさらに▽岩間品次(紀北町相賀)▽山本嵐(有馬町)▽中村敏行・道夫(五郷町)▽前川常夫(飛鳥町小阪)▽濱田茂雄(須野町)▽藪内捨次郎(五郷町)▽清水太郎(有馬町)▽倉本宣男(紀和町大栗須)▽小中安男(御浜町阿田和)▽上エ地増一・淑恵(御浜町志原)▽松岡昇(御浜町上市木)▽田岡音松(五郷町)▽小田カヨ(有馬町)▽杉谷利雄(飛鳥町)▽堀俶(御浜町阿田和)▽栗本操(飛鳥町)▽福山薫・美弥(飛鳥町)▽栗本佐一・アキエ(飛鳥町)▽堀壽(御浜町阿田和)▽坪井平次(五郷町)―の各氏を紹介。このうち、戦艦大和の乗組員だった坪井さんのパネル周囲には、戦艦大和の主砲砲弾(九一式徹甲弾)の模型や坪井さんが綴った不戦の誓いも展示した。
中田さんは「81年前までの、あの戦争で私たち郷里の先輩たちも多くが戦死されました。そして、その後ろには悲しみに沈む何十倍もの遺族がいました。過去5回の展示と講演で資料を提供して下さる方も相次ぎました。今回も展示やギャラリートークを通じて、絶対繰り返してはならない戦争の悲惨さと、平和の大切さを後世に語り継いでいきたい。ぜひ、お越しください」と呼びかけた。
入場無料で開場時間は午前9時から午後7時。月曜休館。問い合わせは同センター(0597・89・3686)まで。

