超難関の七段に合格 居合道阿田和の平野さん(83)が快挙

 御浜町阿田和の自営業、平野英之さん(83)は、11月30日に東京都の江戸川区民スポーツセンターで開催された、居合道の昇段試験に挑み、見事難関の「七段」に合格した。83歳という高齢での七段合格はまさに快挙。家族や友人らから祝福されている。

 七段の審査基準は、初段から六段までの基本や応用度の熟練度、鍛錬度、勝負の歩合に加え、「理合」、「風格、品格」という更に高度な総合的技術が必要となる。全国から215人が挑み約3割の67人しか合格できなかったが、平野さんは上位の成績で合格した。

 平野さんは木本高校時代に剣道部に所属。卒業後は剣道をやめていたが、62歳の時に阿田和公民館で居合をやっていた知人に勧められて始めた。その後、メキメキと上達し、六段まで取得した。しかし、難関の七段になるのは容易ではなく、地元での毎週2回の練習に加え、津市や他県にいる上段者の元へ何度も修業に通い、鍛錬を続けた。そして一発勝負の今回の試験で修業の成果を発揮し、見事合格した。

 平野さんは「この歳で七段になることができ、本当に嬉しい。修業の成果を発揮でき、一緒に鍛錬してくれた師匠や仲間たちに感謝しています。次の目標は〝最高段位〟の八段。試験を受けられるのは5年後。その時は88歳の米寿だが、88で八段を目標にまだまだ前を向いて精進したい」と力を込めた。

 平野さんの同級生で幼馴染の元三重県議会議員、萩野虔一さんは「平野君は昔から努力家だった。今もなお、稽古場やジムで頑張っている姿を見て、同級生の1人として勇気と元気をもらっている。次の88歳での最高位の昇段試験を目指して頑張ってもらい、地域の高齢者に元気を与えてほしい」とエールを送っていた。

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