入鹿小・中生が頼もしく 避難受入れも円滑に 熊野市が総合防災訓練

 令和7年度熊野市総合防災訓練が3日、熊野市紀和町の紀和B&G海洋センターを主会場に行われ、河上敢二市長や濱重明市議会議長、谷川孝栄県議、藤根正典県議、市消防本部職員、県職員、熊野署員、市議会議員、地元住民ら大勢が参加した。

 今回は小中学生を中心として、住民主体の避難所運営訓練を実施することにより、地域防災力を高めるとともに、関係機関及び災害時応援協定締結事業者等との連携強化を図ることが目的。海岸部各地区では開始と同時に津波避難訓練及び情報伝達訓練が行われ、259人の住民が避難を行った。

 主会場となった紀和B&G海洋センターでは、入鹿小児童と入鹿中生徒、地元住民が協力して簡易トイレとパーテーション、木製簡易ベッドの設営訓練を実施。続いて避難者の受入れ訓練が行われ、小中学生が受付を担当し▽杖をついた女性▽感染症疑いの男性▽薬が必要な男性▽ケガで動けない女性▽ペット連れの女性▽障がいのある子を持つ家族―と様々な避難者を受け入れ、必要に応じて車いすや薬の手配を行い、担架での搬送も行うなど対応した。

 引き続き行われた情報伝達訓練では、熊野防災アマチュアネットワークによる各地の避難者や災害発生場所などの確認に続き、小中学生が無線通信を体験。コープみえによる物資受入れも小中学生が大きな力となって、館内に物資を運んだ。

 さらに、住民レスキュー訓練では、住民らがバールなどを手に倒壊家屋から住民を救出。市社協による災害ボランティア受け入れやNTTドコモブース紹介などあり、最後は警察官訪問・巡回訓練として避難所での犯罪事例や防止対策などが紹介された。

 河上敢二市長は「状況に応じた受付や資機材の設営等々、すべての訓練が大人と子どもの力で円滑に行うことが出来、大変心強く感じました。南海トラフ地震の発生確率が変更されましたが、いつ起きてもおかしくない状況であり、各地域では記録的豪雨が発生している。地震や豪雨に対する備えは必要不可欠であり、こうした迅速で安全な避難や避難所運営は訓練なくしてできない。今後も自助・互助の考えのもと、自分の命を守り、お互いに助け合うという思いで訓練を積み重ねて頂きたい」と訓練を振り返った。

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