庵前さん(木高3年)が見事特選に 県高校書道生徒教員展 近畿高文祭への出展も

 第50回三重県高等学校書道部門生徒・教員展がこのほど、四日市市文化会館で開かれ、木本高校の庵前美玖さん(3年)が見事特選に輝いた。

 県教委などの主催で、県内の高校の書道部員、クラブ顧問並びに書道教員の作品を一堂に展示し、書を学ぶ高校生が交流を深めるとともに友情を育む場とすることなどで、書道教育の振興を図ることを目的に開催しているもの。県内各校からここを目標として書き上げた多くの出展がある中、庵前さんら10人が特選に輝いた。

 庵前さんは中国・北宋の書家、米(べいふつ)の書「渓詩巻(ちょうけいしかん)」の臨書に挑戦。伝統文化部(書道部)としての活動の中で縦228㌢、横53㌢の紙に70字を書き上げた。同部の山本高子顧問によると米の字体は個性が強く、作品として仕上げるのは非常に難しいとのこと。自身の感覚で字配りや墨の濃淡、字の大小などでバランスを整えながら全体のつじつまを合わせていくのだが、庵前さんは見事に調和させたという。

 飛鳥小5年生の頃に地元の教室で書道を習い始めたという庵前さん。飛鳥中では陸上部に所属していたが、高校に入ってもっと字が上手くなりたいと入部し、色々な字を学ぶうちに楽しさを感じるようになったとのこと。これまでに大きな受賞歴はなく、今回の特選獲得には「選ばれたいとは思っていましたが、ビックリしましたし、すごく嬉しい」と笑顔を見せる。

 現在は今年11月に三重県内で開催される令和5年度近畿高等学校総合文化祭への出品が決まり「より良い作品に」と再び励む日々。一枚の作品を仕上げるために要するのは約2時間。春休み中も書に没頭したうえ、新学期が始まって以降も居残りで連日3時間半にわたって筆を運んでいる。

 山本顧問は「すでに現段階でかなり上手くなった。米の字の良さを残しつつも見せ方を工夫するなど、作品にすること自体が難しいのに良く頑張っています」と評価。庵前さんは「山本先生から頂いたアドバイスをしっかり意識してより良い作品に出来れば」と更なるレベルアップを見据えた。

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