式田さん(元プロサッカー選手)がエール 井戸小学校で「夢の教室」

 熊野市の井戸小学校で4日、スポーツ選手による2022年度JFAこころのプロジェクト「夢の教室」が開かれ、5年生20人がアスリートによる特別授業に聞き入った。

 様々なアスリートを特別授業講師「夢先生」として迎え、実体験に基づく授業を通して、フェアプレー精神や協力すること、夢を持つことの大切さ、失敗を乗り越えて夢や目標に向けて努力しようとする意識や態度を育むことが目的。熊野市教育委員会によると今後市内の各小学校でも5年生児童を対象として順次開催する。井戸小学校ではプロサッカー選手としてジェフ市原などで活躍した式田高義さんがリモート形式で「夢トーク」を展開した。

 式田さんは小学校1年生の時に兄の見よう見まねで始めたリフティングから、プロサッカー選手になるまでの過程を紹介。「はじめの一歩を踏み出し、できないことは嫌いでも目標を設定して達成できるようになってくると好きに変わる。好きになると毎日練習するようになってどんどん上達し、やがて大きな夢や目標になる」などと語った。

 続けて「みんなと同じ5年生の時、だれも口をきいてくれなくなってしまい、この時が一番苦しくてつらかった。突然誰も話してくれなくなり、自分から話しかけることもできなくなっていた。でも学校は一度も休まなかった。それは『6年生になったらサッカーの全国大会に出る』という大きな目標があったから。とうとうサッカー仲間にも無視されるようになり、目標もあきらめかけたけど、仲間の大切さを痛感した時に同じクラスのサッカーやっている友達が助けてくれた。その友達は同じようにいじめられる可能性があったのに、勇気をもって声をかけてくれて、少しずつみんなの輪に戻れるようになった」とし、「いじめは絶対にダメ。何かあったとき、苦しんでいる、困っている人がいたら声をかけてあげて。絶対にそれで助かる人はいるし、その勇気は夢へ近づく第一歩になる。勇気や思いやりを持ち続けてください」と呼びかけた。

 最後は「一生懸命やっていれば同じ仲間が絶対応援してくれる。自信をもって夢や目標に向かってください。仲間を大切にして感謝の気持ちをもって。そして、夢や目標を持つことで一生懸命やる気持ちがつき、あきらめないという気持ちが強くなる。そうすると素敵に成長する。大切にしてほしいのは一歩を踏み出す勇気。できないのではなくやらないだけ。はじめはみんなできないしやりたくない。勇気をもって踏み出してほしい。人を助ける勇気も持ち続けてほしい。ゆっくりでいいから勇気をもって前に進んでください」とエールを送った。

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