3つの想定元に議論 紀南地域高校活性化協議会 木本、紀南高のあり方議論

 紀南地域高等学校活性化推進協議会(会長・平山大輔三重大学教育学部教授)の令和4年度第2回会議が14日、熊野市文化交流センターで開かれた。前回の会議では中学校卒業者数の推移から、令和7年度に木本、紀南高校で1学年5学級規模になることが見込まれることから、統合問題も含め12月までに一定の方向をまとめたい考えが示された。今回はこれまでの議論を踏まえ、紀南地域の高等学校が目指すべき教育や役割を実現するため、具体的に想定される配置のあり方について意見を交わした。

 同協議会は紀南地域の高校の特色化・魅力化を図り生徒にとって魅力ある学習環境を整備するため行われているもの。学校や地域代表者ら20人が委員を務める。

 はじめに県教育委員会の大屋慎一教育政策課長が「ある程度の形が見え、子どもたちにどうプラスになっていくのか前向きな議論を」と挨拶。平山会長は「数合わせの議論でなく、子どもの学びを第一に考えた議論を軸に踏み外さないようこの地域の高校の在り方を考える協議に」と呼びかけた。

 今回、県教委からは2校が統合して1つの校地で学ぶ場合(1校5学級規模)や、2校が連携し2つの校地で学ぶ場合(4学級と1学級)、2校がそれぞれ独立して学ぶ場合(1校3学級と1校2学級)の3つの想定から予想される状況が示された。今後も生徒の増減が見込まれる中、1つの校地で学ぶ場合が教員配置や学習、部活動などより柔軟に対応できることが語られた。

 委員らはそれぞれの立場で自らの考えや生徒、団体から聞き取った意見などを語った。学校現場からは、少人数でも魅力ある教育は行えるが、部活動は努力だけではどうにもならないとの意見が出た。生徒から聞き取った意見としては部活動のため統合してもよいといったものや、家の事情で自転車通学できる範囲に学校がないと困るといった声が届けられた。

 南牟婁郡に住む委員からは、新しい学校の設置場所によっては紀宝町の生徒は三重県を離れ和歌山県の学校へと進学することを危惧。遠方から通学する生徒への支援が求められた。PTA代表の委員は「当事者となる子どもたちにメリット、デメリットを示し選択していくことも重要。デメリットを消していく議論もできれば」と述べた。

 これらの議論を受け、大屋課長は「地域の方や中学生、保護者に何らかの形で意見を聞くところを設ける必要があると考えています」と話し、次の協議会ではアンケート実施に向けた議論を行いたい考えを語った。次回の協議会は8月中・下旬に開催を予定している。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする