熊野舞台に映画撮影 高校生の物語「カフネ」 大阪芸大杵村組 8月17日からロケ予定

 熊野市磯崎町を舞台にこの夏、大阪芸術大学映像学科の学生たちが映画「カフネ」の制作に挑む。「この街を舞台に、映画を撮りたい」と、熊野市内ですべてのロケを計画している。27日、監督を務める杵村春希さんと吉田光歩プロデューサー、撮影担当の髙本優さんが吉野熊野新聞社を訪問。「優しい映画を届けたい」と意気込みを語った。

 ストーリーの柱となるのは男女4人の高校生。望まない妊娠をした高校生の物語だ。40~50分ほどの尺で「本音で語り合うことで生まれる真の対話」をテーマにした。同学科の映画「カフネ」杵村組25人のチームが制作に向けた準備を進めている。メンバーには木本高校出身の大井薫幾さんが助監督、榎本陸さんがスチル(カメラ)で名を連ねる。

 杵村さんは「多くの人が本音と建前の間に生きる中で、高校生の葛藤や本音で語り合うことをコミュニケーションを通じて描きたい。心と心が触れ合う喜びと苦しみを感じながらも、誰かを想うことで生まれる人間の美しさ、温かさを感じてもらいたい」と企画意図を説明した。

 脚本が完成した2月に、大井さんの地元の熊野市を訪問。目の前に広がる海と山、その間にある小さな街々に暮らす人々と出会い「この街を舞台に、映画を撮りたい」と決断した。今年4月中旬から約1ヵ月にわたり出演者を募集。オーディションには約400人が参加し、8人のメインキャストが選ばれた。

 主演の山﨑翠佳さんはコブクロの「卒業」ミュージックビデオに出演。元宝塚歌劇団の桜一花さんや、舞台等で活躍する松本いさな、太志、木下隼輔さんはじめ澤真希、渡辺綾子さん、杵村さんと親交のある入江崇史さんがメインキャストを務める。

 映画の収録は8月17日からを予定。2週間ほどロケを行う。来年の夏には熊野市で完成記念試写会なども行いたいという。吉田プロデューサーは「熊野市を盛り上げるPRにもなれば」と語る。

 高校生の頃から映画を撮りはじめ、15作品以上の短編映画などに関わってきた杵村さんは「高校生の時に心が苦しい時期がありました。ふらっと立ち寄った映画館で観た映画で気持ちが楽になった。僕たちも心を温かくする優しものを届けたい」と話した。

 映画制作にあたってはキャンプファイヤーで7月31日までクラウドファンディングを実施している。熊野市観光協会や熊野文化協会が後援。

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