頂いているのは命 有馬小5年生 岡田牧場見学し学習

 熊野市有馬小学校(山﨑弘行校長)で10日、食と命の授業が行われた。学校近くにある岡田精肉店を運営する株式会社「黒毛和牛の岡田」代表取締役社長の西村茂之さんらが、5年生に「いただきます」や「ごちそうさま」に込められた思いを伝えた。

 5年生は7日に有馬町池川にある同社の牧場を訪れ、子牛から出荷が近づく大きな牛まで、段階に応じた厩舎を見学。同社のブランド牛である黒毛和牛「美熊野牛」が大切にされていることなどを学んだ。

 10日は西村社長と西村到磨専務が有馬小学校を訪問。5年生に食育と人権の視点から命を頂くことの大切さを話した。

 西村専務が映像を使い、池川にある同社の牧場の様子や取り組みを紹介。お肉などの食材が食卓に並ぶまでには生産から加工、販売まで多くの人が携わっていることを説明した。

 また、食事に際しての「いただきます」や「ごちそうさま」という言葉について「動物や魚、野菜には命があり、それを食べて命を繋いでいます。命を頂くことや、食べ物を準備してくれた人への感謝の気持ちを持って」と話した。

 西村社長は、毎日可愛がり大切に育てている牛たちを食肉にすることについて「寂しい思いもあります。最初の頃は牛の出荷を見たくなくて出張した時に連れて行ってもらったりしていました。毎年、供養しており、お坊さんから『この牛は皆に食べてもらうために生まれた。美味しく食べることが一番の供養』といって頂いた。牛たちにこの牧場に来て良かったと思われるよう、家族のように大切に育てています」と話した。

 事前の牧場見学で牛たちの姿を目の当たりにした児童たちは、西村社長らの話に真剣な眼差しを向け、食とは「命を頂く」ことを感じ取っている様子だった。授業の様子は有馬中学校区人権教育推進協議会のメンバーらが見学した。

 なお、この日は熊野市内の小中学校の給食に同社から「美熊野牛」が提供された。有馬小ではミートボールがメニューに並び、子どもを喜ばせた。今後は保育所の給食にも提供するという。

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