道の駅「板屋・九郎兵衛の里」 勝運伝説の夫婦岩 那智黒石モニュメント

 熊野市は27日、紀和町の道の駅「熊野・板屋九郎兵衛の里」で那智黒石のモニュメントをお披露目した。地元では勝運伝説として知られる九郎兵衛・お菊夫婦をモチーフにした夫婦岩で、早速あやかろうとモニュメントにふれる人の姿もあった。

 囲碁の黒石にも使われる那智黒石は、熊野市神川町が全国唯一の産出地。市ではこのことを広くPRしようと、令和元年度から人が集まる場所に那智黒石のモニュメントを設置。これまでに鬼ヶ城センターに鬼の顔、道の駅「熊野・花の窟」にイザナミノミコトを表現したモニュメントが置かれている。

 今回、板屋九郎兵衛の里には、名前の由来になった九郎兵衛・お菊さん夫婦をモチーフに2つの大きな那智黒石のモニュメントが完成した。27日は大西浩文副市長や熊野那智黒石協同組合の田野栄一理事長、モニュメントを作製した仮谷梅管堂の仮谷憲司さんらによってモニュメントがお披露目された。

 モニュメントは左手に九郎兵衛さんをイメージした約1㌧、右手にお菊さんをイメージした約700㌔の大きな那智黒石が仲良く並ぶ。粒子が0・1ミクロンと細かく、均質緻密な那智黒石は磨けば磨くほど漆黒の輝きが増す。仮谷さんによると、約1ヵ月かけて手磨きにより仕上げた。表面はまったく抵抗を感じないほど滑らか。モニュメントの下には碁石の原石が敷き詰められている。

 お披露目後、大西副市長は「熊野市の西の玄関口にモニュメントが設置されました。多くの観光客に触れていただき、勝運伝説にあやかって頂きたい」と挨拶。大仕事を完了し、仮谷さんは「大きな那智黒石だけに設置にも神経を使いました。那智黒石に触れて、質感を体感してもらえれば」。田野理事長は「市が那智黒石を活用してくれてありがたい。多くの人に見てもらいたい」と話していた。市では来年度も那智黒石モニュメントの設置を計画しているという。

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