御浜町は28日、町役場で令和7年度主権者教育全体発表会を開いた。「第6次総合計画の実現に向けた中学生からの提案~『みはま』らしく輝くまちを目指して~」をテーマに、町内中学校の3年生がまちづくりへの意見を示した。
町の将来を担う中学生が町への誇りと愛着を感じるとともに、行政と自身のつながりを理解することで住みよい御浜町の実現に向け「主体者」として行動しようとする姿勢を育成する目的。阿田和、尾呂志学園、御浜中でそれぞれ3年生が7月から町役場の職員の支援を受け第6次町総合計画などについて何度も主権者教育の学習を重ねてきた。今回、各校の3年生代表4グループがこれまで主権者教育で取り組んできた成果や提案を発表した。
会場には学校関係者や役場職員、保護者、地域住民らが来場。本誠一教育長が取り組みを通じた生徒たちの成長に期待を込め挨拶し発表会がスタートした。
尾呂志学園中は第6次総合計画の基本目標「一人ひとりが心豊かに輝けるまちづくり」から、介護予防の促進や高齢者が安心して暮らせるまちづくりについて発表。健康寿命を伸ばすため、高齢者と子どもたちが触れ合える場や、バランスの良い食事の知識をみにつける講座と周知などの案を出した。また、移動の課題解消に向け有償ボランティアの買い物サービスや高齢者福祉施設に商品を卸してもらうといったことも考えた。
阿田和中は「ともに学びあい人と文化を育むまちづくり」の基本目標から、子どもたちの学びを支える教育環境の整備・充実に関し、今後、御浜町が整備する新たな学校について、小学5・6年生と中学2年生が一緒に授業や掃除を行う機会を作る新校舎小中一貫交流を提案。柑橘学習や市木木綿を通じた学習、地域との交流、旧校舎を避難所や学童の場にするなど有効活用についてもアイデアを膨らませた。
御浜中からは2グループが発表。基本目標「安全・安心で快適に生活できるまちづくり」からは地域防災力の向上。同「活力と魅力を生みだすまちづくり」では、みかん産地再生プロジェクトについて自分たちの考えを語った。防災では身近な人へのアンケート結果から町民の災害に対する関心が低いことを指摘。スタンプラリーやクイズ、大人数が集まるイベントでの防災啓発などを訴えた。みかん産地では町内のミカン農家は平均年齢75歳だが、町は平地が多く作業しやすい環境があると説明。農地荒廃化防止や担い手確保には年間購入量を増やすことが重要とし、みかん料理や皮の活用などをSNSで情報発信することを呼びかけた。
中学生たちが真剣に考えた想いやアイデアは来場者に感銘を与えた。最後は大畑覚町長が「どの提案も素晴らしく、分かり易い。町の抱える課題、現状、将来に向けての見通しを十分学習されて、自分のもととして提案内容を考えていただいたことがよくわかりました。提案を目標である後期基本計画にしっかりと検討させて頂きたい」と締めくくった。

